トライタンボトルとは?メリットやデメリット、おすすめ商品を紹介

             
  • 2022.08.19 / 更新:2024.08.12
  • 水筒
トライタンボトルとは?メリットやデメリット、おすすめ商品を紹介

プラスチック水筒の素材として近年使用されることが増えているトライタン。トライタンがプラスチックのことだとは分かるものの、どういった特徴のある素材なのか?他のプラスチック素材とは何が違うのかと、はっきりと分からない人も多いのではないでしょうか。
ここではそういった方のために、トライタンとは何か、理解を深めるためにメリットやデメリットとを解説して行きたいと思います。

トライタンボトルとは?

シービージャパンのトライタンボトル

トライタンはアメリカ合衆国テネシー州のイーストマン・ケミカル・カンパニーという化学製造企業が開発した「コポリエステル樹脂」のことです。ポリエステルはプラスチックの一種として知られていますが、コポリエステルはこの一般的なポリエステルに改良を加え、より耐久性などを強化されたものになります。
このコポリエステル樹脂はプラスチック素材として、多くのプラスチック製品に使われていますが、プラスチック製水筒にも使われるようになりました。コポリエステル樹脂を素材に使ったプラスチックのボトルをトライタンボトルと呼ぶこともあるようです。
現在はプラスチックのボトルにこのトライタンを使ったものが多くあるのは、それなりにメリットが多くあるためであり、次にこのメリットを見ていきたいと思います。

トライタンを使うメリット

トライタンを開発したイーストマン・ケミカル・カンパニーのホームページには、以前は「Tritan™の重要成分である安全性」が書かれていましたが、現在はそのページはなく、しかしその内容はトライタンを開発した会社のものでやはり信頼性があります。
なのでそこに書かれていた安全性、透明感、耐久性、耐熱性、高強度などを参考にし、水筒にトライタンが使われることでのメリットを見ていきたいと思います。

1,安全性

BPAフリー

Tritan™「トライタン」樹脂は、BPAをはじめ、ビスフェノール類の化学物質は一切使用していない安全性の高いプラスチックです。

Tritan™「トライタン」 安全性|長瀬産業株式会社 ポリマープロダクツ部

「BPAを含有しない」とはプラスチック水筒の説明でも良く見かける「BPAフリー」のこと。BPAはビスフェノールAという人体に良くない影響が確認された物質のことで、従来のプラスチック製品に含まれているものでしたが、トライタンがBPAフリーとはこのビスフェノールAを含まないということです。ビスフェノールAはポリカーボネート樹脂の製造に広く使用されており、多くのプラスチック製品に現在でも仕様されています。
また、トライタンにはエストロゲンとテストステロンという人の生物学的プロセスに不可欠な、ホルモンを阻害するエストロゲン活性やアンドロゲン活性がないことも独立した第三者の機関にて立証されています。いずれにしろトライタンが人体に悪影響のない安全な物質であることが分かります。

関連:BPAフリーの水筒とは?ビスフェノールA(BPA)が含まれた水筒の危険性など

2,ガラスと同じ

ガラスのようにきれいなトライタン

プラスチックでありながらもガラスのような透明感や輝きを持つトライタン。なのでガラス容器の代わりとしても使うことができ、ワイングラスとして使っても違和感がありません。
ガラスの場合落とせば割れてしまいますが、トライタンはガラスのように見えもプラスチックなので、軽量さと弾力もあり、落としても割れることがなく扱いやすい利点があります。

3,耐久性

Eastman Chemical社の長年蓄積した独自技術で開発した極めて強靭な樹脂です。
車で轢いても割れない、
もちろん危険な破片も飛び散りません。

Tritan™「トライタン」 安全性|長瀬産業株式会社 ポリマープロダクツ部

某テレビ番組では28.5mの高さからトライタンを落とす実験をして、割れないことを証明されていたように、ビルの30階、車で踏んでも割れないといった実験で耐久性の高さは証明されています。
われないグラスという商品が発売されると、多くの方に珍しく、youtuberの方達がトライタングラスを紹介されていました。驚かれるほどの耐久性があります。

4,高い耐熱性

トライタンは通常のプラスチックコップと違って、耐熱100℃なので熱湯OK、食洗器もOKです。

トライタンの特徴を生かした使い方を教えます!|新素材プラスチック

トライタンはプラスチックながら高い耐熱性をほこります。プラスチックは耐熱性が低いため食洗機にかけることはできないことがおおいですが、トライタンでは食洗機での洗浄が行え、衛生的に使うことで安全性が高まります
また、水筒は内部に手を入れて洗えるものが少なく、ボトル底を手ではきれいに洗えないため、食洗機の強い噴射の力で洗えるのは大きなメリットになります。

5,高強度で長く使える

増え続けるプラスチックごみが海洋汚染をもたらし続けていることが問題視され、ペットボトルのジュースを買うよりもマイボトルを選択する人も増えてきています。トライタンでは高強度があり、マイボトルとして使っても経年劣化を遅らせ、長い期間愛用できます

以上のように多くのメリットのある素材であることが分かりますが、逆にデメリットはどういったものがあるのでしょうか。

デメリット

リバーズのスタウトエア

デメリットはあまりないのですが、人気素材のために共有不足に陥ることがあるようです。ボトルブランドRIVERS(リバーズ)の人気クリアボトル「スタウトエア」では、トライタンの供給不足から韓国のエコゼンへと素材が変更されています。
参考:アウトドアマン必携ボトル『スタウトエア』新登場!

また、トライタンだからといったわけではないのですが、ナルゲンボトルを長く使った経験から、他のプラスチックボトルと同じように匂いは付着するようです。長く使っていたからかもしれませんが、ドクターペッパーを入れたら洗ってもかなり匂いが残っていました。トライタンだからと言って他のプラスチックボトルと同じ部分はあるようです。

その他に、若干ですが価格も高くなる傾向があると思われます。ポリプロピレンやポリスチレンのプラスチックに比べると製造コストがかかるために、製品も高くなるようですが、水筒に使われるプラスチックでは少しの違いにはなります。

まとめると

  • 人気の素材なので供給不足に陥ることがある
  • プラスチック水筒の欠点である匂いは他のものと同じように付着する
  • 製造コストがかかるために製品も高めになる傾向がある

ただ、やはり普通のプラスチックボトルよりかはとても多くのメリットがあるのはもちろん魅力的です。

トライタンボトルで有名なメーカー

トライタンを使ったボトルとして特に有名なメーカーがナルゲンです。ナルゲンのトライタンボトルが有名になり、その後他のメーカーでも使われていったという歴史があります。

ナルゲン

ナルゲンのロゴ

Nalgene(ナルゲン)は1949年にアメリカ・ニューヨーク州ロチェスターにて、最高級の科学研究用のボトルを開発し、化学者たちによりスタートされたメーカーです。1970年代に入ると人々が研究用だけだなく、アウトドア用として使うことことも多くなり、現在も最も有名なボトルメーカーの1つとして高いシェアをほこっています。
トライタン素材を使ったナルゲンボトルの質の良さから、トライタンの普及に貢献してきました。

ビーンスターク

ベビー用品を販売する雪印乳業の育児事業部ビーンスターク。2002年に雪印と大塚製薬が出資してスタートされています。
ビーンスタークのガラス製哺乳瓶は高いシェアを誇り有名ですが、2021年に販売を終了し、より安全で扱いやすいトライタンに変更されました。多くの人に愛されていたガラス哺乳瓶でしたが、トライタンに変更したことは驚きで、このことによりトライタンの存在を知った人も多かったと思います。

キャメルバック

ハンズフリーで使えるハイドレーションシステムのボトルを開発し、自転車が好きな人なら一度は耳にしたことがある「CAMELBAK(キャメルバック)」。アウトドアフィールドで考えられる過酷な環境を想定した厳しい製品テストを繰り返して作りだされるボトルは質が高く、ハイドレーション・システムの世界シェアNo.1ブランドとしておおくのサイクリストから愛されています。
すべての水筒ではありませんが、トライタンを使ったボトルも多くリリースされています。

おすすめのトライタンボトル

ナルゲンボトル 広口0.5L トライタンボトル

ナルゲンのループキャップボトル

トライタンを使った高品質なプラスチックボトルといえばナルゲンがイメージされますが、素材だけでなく独自のキャップシステムも優秀。ループキャップは持ち運びやすく、キャップが繋がれているのでなくす心配もなく、手で持つ必要がありません。キャップ自体も食洗機にて洗浄が可能。さらにパッキンもありませんので洗浄も大変楽です。様々なモデルがリリースされており、こちらのクラシックな500mlは特に人気モデルです。

関連:ナルゲンボトルのキャップの種類やループキャップを詳しくレビュー。

キャメルバック チュートマグ

キャメルバックのチュートマグ

アウトドアブランドのキャメルバックの水筒もトライタンを使用されています。トライタンリニューという素材のようですが、コポリエステル樹脂を使ったプラスチックで、耐熱性に優れて食洗機にもかけれるので同じ素材だと思います。
キャメルバッグには様々なキャップユニットのボトルがありますが、こちらは飲み口のキャップを外した後、マグネット上のユニットが外したキャップがベースに固定される仕様となっています。ユニットと一体となったキャップが飲む時にボトルを傾けると、ビラビラとしたキャップが戻ってきて煩わしいといったことがない特徴があります。
ボトル自体の質の良さもありますし、アウトドアで使いやすい構造になっていると思います。

容量:600ml / 700ml

シービージャパン オーシャンビバレッジボトル SANTECO

シービージャパンのトライタンボトルsanteko

ライフスタイル・ファッションの要素を取り入れたシービージャパンのボトルブランド「santeco」。こちらのボトルもおしゃれですが、トライタンを使った軽量で頑強な特徴を持ちながら、メモリがついているのでプロテインやスポーツドリンクなどを作るのに便利。取っ手が付きバッグのカラビナなどに取り付けて持ち運びにと、機能的な製品になっています。

関連:SANTECO(サンテコ)・オーシャンビバレッジ水筒を使ってみた感想。洗い方など

b.box(ビーボックス) 子供用ストロードリンクボトル

ビーボックスのワンタッチストローマグ

b.box(ビーボックス)は、オーストラリア生まれた子供向けのランチアイテムブランドです。特に赤ちゃん向けの漏れにくいシッピーマグが人気がありますが、こちらの水筒はそれよりも少し大きくなった子供向け。トライタンを使った質の良さの他、ワンタッチでそのまま飲めるストロータイプ、三角な形状は子供でも持ちやすく、底カバーもあり子供が使いやすくなっていますが、もちろん、デザインから大人が使っても問題はないと思います。

容量:450ml / 600ml

シービージャパン タイムマーカーメモリ付き水筒「Track&Go」

シービージャパンのタイムマーカー付き水筒

時間によりどれくらい飲めばよいのかが分かるメモリの付いたシービージャパンのTrack&Go。一日に必要な水の量はだいたい2Lとなりますが、その量を無理なく飲めるように時間のメモリがプリントされている水筒です。
ダイエットや美容のために、飲料を多く飲む人にはとても便利な水筒となっていますが、Track&Goではトライタン素材が使われ、飲みやすい飲み口ユニットなどが搭載。タイムマーカー目的以外の人にも使いやすいボトルとなっています。

関連:洗いやすいタイムマーカー付きの水筒「Track&Go」を使った感想

以上です。いかがでしたでしょうか。BPAフリーの安全性や高い耐久性、ガラスのような美しさをほこる最高品質のプラスチック素材のトライタン。今後もトライタンを使った製品は増えていくと思われますが、プラスチックなら積極的にトライタンを選びたいですね。

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