炭酸が入った飲料はシュワッと爽快で、コーラやビール、サイダーやレッドブルなど人気のドリンクも多いです。自分はペットや缶に入った炭酸飲料を買うこともありますが、保冷効力のないペット容器に入ったものはすぐに温くなってしまい、冷えている時のおいしさはなくなってしまうと感じます。
そういったデメリットを解消してくれるのが、炭酸飲料対応の水筒です。一般的なステンレスの水筒は保冷効力が高いのですが炭酸飲料は入れることができませんので、炭酸に対応したステンレスボトルが必要になります。
炭酸対応しているボトルはあまり多くはありませんが、大手ボトルメーカーからリリースされており、その中からここではサーモスの炭酸ボトル「FJK」を見ていきたいと思います。
基本情報
品番 | FJK-500 |
サイズ | 幅6.5×奥行き6.5×高さ24cm |
容量 | 500ml / 750ml / 1L |
重量 | 200g(500ml) |
口径 | 3.6 cm |
保冷効力 | 10℃以下(6時間) |
カラー | シルバー / カーキ / パープル / ライトブルー / レッド / ネイビー |
使用上の注意
- 炭酸飲料を入れた状態で横にしない
- 保冷専用で熱い飲み物は入れられない
- 食洗機・食器乾燥機には入れられない
- スポーツドリンクを入れることができる
一般的な水筒と変わりはないのですが、炭酸ボトルということで普通の水筒にはない大きな特徴もあります。
普通の水筒との違い
炭酸飲料は炭酸ガスが飲料に溶け込んだ状態ですが、刺激や温度変化により炭酸ガスが抜けていきます。そして水筒などの密閉された空間では、ドリンクから抜けた炭酸ガスの逃げ場がなく、ボトル内に溜まり内部圧力をあげていってしまいます。それが長い時間続くと圧力に耐えられなくなったキャップは、破損したり吹き飛んだりといったことになります。
そのため炭酸ボトルでは一般的な水筒にはない圧力へ対応するための特徴が二つあります。
キャップを開ける際に圧力を抜く
ボトル内に炭酸ガスにたまり、圧力が高まった状態でキャップの蓋を回すと、逃げ道ができて一気に炭酸ガスが噴き出てキャップをすごい力で持ち上げます。経験があるのですが、パンッというかなり大きな音でキャップが跳ね上がったので危険な状態でした。そういったことがないように、炭酸ボトルではキャップを回すとキャップとは別の部分でたまった圧力を逃がし、そのためキャップが持ち上げられることがなく、圧力逃がしたその後に蓋を開けられるような仕組みとなっています。
サーモスFJKも炭酸が入った状態でキャップを回すと、シュッという音がまずは圧力が抜け、その後にキャップを回して取ることができます。
圧力が高まったら逃がす
炭酸ガスの影響でボトル内の圧力がたまったらそれを検知し、自動で圧力を外部に逃がす機能があります。キャップとボトルにある特別なせんに圧力解放穴があり、圧力が高まり弁を持ち上げるとその解放穴から圧力を逃げるので、ボトル内に一定以上の圧力がたまることがなく、たまり過ぎて爆発などを起こすことがありません。
サーモスのFJKでも栓の真ん中に穴があり、ここからボトル内にたまった炭酸ガスを逃がす構造となっています。
こうした特別な構造を持つ炭酸ボトルですが、実際に普通の水筒としての各部分の使いやすさなども気になる所ですので、詳しく見ていきたいと思います。
実際に使ってみた各パーツの感想
デザインがシンプル
サーモスの水筒らしくスリムな形状でデザインはシンプルになっています。カラーリングのバリエーションは豊富でマット感はありませんが、どれもどこでも使いやすいような派手さのないカラーとなっていますので、目立たずにオフィスなどでも使い炭酸を楽しめると思います。
キャップの回転数が多い
キャップを開け閉めするのに、通常の水筒よりも回転数が多く必要になります。これは炭酸を抜くためと蓋を開け閉めするための回転が別であるためです。飲むために蓋を開ける場合でも、蓋を回すとまず炭酸を抜くための回転が必要になり、閉める場合にはキャップを閉めるための回転の後に炭酸用にさらに回転させなければならず、回転数は多くなります。飲む時に何度もグルグルと回すことになり、少し手間に感じてしまうのではないかと思われます。
厚みがあり飲みやすい
口コミなどでは飲みにくいといったことも言われている方もいましたが、自分は飲みにくいとは感じませんでした。確かに広口ではないのですが、飲み口は厚みがあり飲み心地は良いのではないかと思います。ワンタッチ水筒や飲み口栓があるものに飲みなれていると、こういった直飲みタイプは飲みにくいと感じる方もいるのかもしれません。
特別に持ちやすいわけではなし
ボトル表面は特に加工がされてはいません。マットコーティングなどがされていれば見た目はおしゃれですが、少し滑り易くなってしまいます。自分の購入したFJKはシルバーなので滑り易くはないです。ただ、他のカラーリングでは何か加工がされているのかもしれませんので不明です。
また、形状はストレートですので、指にかかる所はないので、その点では特別持ちやすさはないかもしれません。実際に持って見ると太く感じますし、また、200gなので軽量かもしれませんが、疲れてる時やプラスチックボトルになれていると少し重く感じるかもしれません。
撥水性は高め
ボトル内に水を入れて捨ててみましたが、ほとんど水滴は残っていませんので撥水性は高いです。一般的な水筒では酸性の飲料は金属を溶かすことがあるために入れることはできないのですが、炭酸は弱酸性の酸性飲料であり、またスポーツドリンクも酸性。FJKでは酸性の飲料を入れることができるとされているのも、しっかりとボトル内では水を弾いてくれるようになっているためで、これならば金属が解けることはなさそうです。
ただ、なんらかのコーティングがされているため撥水力が高いのですが、サーモスではコーティングに何を使っているのかは明示されてはおらず、どこまで撥水力を保っていられるのかは分かりません。
サイズ感は普通
同じ容量の500mlボトルと並べてみましたが、そこまで大きさは感じないと思います。ただ、炭酸のガスを抜くために特殊な栓がキャップとボトルの間にありますので、その構造分少し高さがあるような感じです。500mlのボトルはもともと高さがあり、キャップ一つ分ですが高くなると少し大きく感じるかもしれません。
漏れはなし
横にしないでといった注意書きがありますが、実際は横にしても漏れることはありません。思い切り振ってみても大丈夫でした。炭酸ガスが抜けるような設計のために、漏れに関しては少し心配がありましたが問題はないようです。
洗いやすさは?
まずは食洗機に対応していないので手洗いする必要がありますが、FJKはボトルとキャップ以外にも一つ栓があり、さらに二つのパッキンがあるのでパーツが多く手洗いする場合は手間が掛かります。さらに洗った後にそれぞれを装着するのも面倒に感じます。
また、口径が3.5cmと狭くなっているのでスポンジも当然ボトル内には入れることができずに、口周りしか洗うことしかできません。撥水性はある程度高いのですが、炭酸や酸性飲料を入れるためにやはりしっかりとゴシゴシと洗いたい所。しかし、それは厳しいのでアルカリ性の漂白剤を使ってボトル底を洗うしかなく、洗いやすさに関しては少し面倒なボトルだと思いました。
ここまでサーモスの炭酸ボトルFJKをいろいろと見てきましたが、良い面も悪い面もありましたのでメリットとデメリットをまとめてみたいと思います。
メリットとデメリット
メリット
メリットは何といっても炭酸を入れられるといったことになります。そのためにボトルの仕様で使いにくい点もあるのですが、一般の水筒にはない安全に炭酸を持ち運べるのは大きなめりメリットです。その他にも良い点として狭口でも厚みがあり飲み心地が良い、漏れがなく持ち運びも心配がないなどがあります。
- 炭酸が入れられる
- 飲み心地が良い
- 漏れの心配がない
- スポーツドリンクなどの弱酸性飲料を入れられる
デメリット
デメリットとして炭酸仕様で炭酸が抜けにくくなるためか狭口となっている点が挙げられます。狭口は悪いことばかりではないのですが、直のみタイプの狭口では飲みやすさや洗いにくさに繋がってしまいます。特にこちらのボトルは食洗機に対応しておらず、酸性飲料の炭酸飲料を入れるのならきれいに保つ必要があるので、余計洗いにくさを感じるかもしれません。
また、炭酸を抜くための仕様でキャップを回す回数が多い点もめんどくさいと感じると思います。
- 狭口で洗いにくい
- 開閉するのにキャップの回転数が多く必要
- パーツが多い
- 保冷専用
デメリット部分に関してはやはり炭酸対応といったことで炭酸仕様であるボトルの点が挙げられますが、他にも口コミからのデメリットも見てみたいと思います。
炭酸が抜ける?口コミからみるデメリット
口コミでは高評価が多いのですが、批判的なものもありました。漏れる、口が狭くて氷が入れられない、炭酸が抜けるといったものが多いのですが、特に多いのが炭酸の抜けが早いといったものです。
炭酸が抜ける
炭酸飲料を持ち運びたくて買いましたが、
ちょっと残念。
予想以上に炭酸が抜けました。
普通のお茶とか持って歩くには、しっかり保冷してくれます。
実際にサーモスの炭酸ボトルと、炭酸ボトルではない水筒にコーラを入れてどちらが炭酸が長持ちするのかを比べてみました。
炭酸ボトルFJKの他に、同じサーモスのJOQ,タイガーのMMZボトルにペプシコーラを入れてどのボトルが炭酸の抜けが大きいのかを見てみたいと思います。あまり長い時間入れて炭酸ガスがたまり過ぎるのも怖いので、一時間後に一回開けて確かめます。
約一時間後にすべてのボトルに入ったペプシを飲んで確認しましたが、冷たさはどのボトルでも変わらず、炭酸の抜けも同じような感じです。
そのあとスタートから2時間半経過後、爆発するようにキャップが上がるのが嫌であまりそれぞれに量を入れなかったせいかどれも炭酸が抜けていましたが、その中でも若干FJKが一番抜けているように感じました。でもそこまで激しい差はないようです。
飲料の中の炭酸ガスは圧力をかけることで抜けを防ぐことができるので、密閉されたボトル内が炭酸ガスの影響で圧力が高まればそれだけ炭酸飲料からガスが抜けにくくなります。
サーモスの炭酸飲料ボトルはボトル内の炭酸ガスを抜くことができる構造で、安全に炭酸を水筒にいれることができるボトルなので、炭酸を抜く仕組みのない水筒と比べれば炭酸の抜けが早いの当然だと思います。抜けるように作ってボトル内の圧力が高まらないので仕方ない所です。
それなら一般の水筒に炭酸を入れた方がよいのかと言われれば、炭酸ガスがボトル内に溜まり圧力が上がってしまうことは危険が伴います。なので、炭酸ボトルを使うメリットとしては保冷効力があり、ペットボトルや缶をそのまま使うよりも、冷えた炭酸飲料を危険もなく、ある程度の時間楽しめることにあると思います。
まとめ
炭酸飲料を入れることが可能なサーモスの水筒「FJK」を見てきましたがいかがでしたでしょうか。炭酸ボトルといえどもサーモスらしくシンプルでどこでも使いやすいデザインですが、やはり炭酸に対応するためにパーツは少し多めとなり、洗浄などもめんどくさいといったこともあるかもしれません。
また、炭酸が抜けやすいといった口コミもありますが、これに関しては炭酸ガスがボトル内にたまらない構造なのでどのメーカーの炭酸ボトルも同じではないかと思われます。そして、FJKでは約2000円程度で購入できるメリットがあり、おそらく炭酸ボトルの中では一番。
長時間入れれば炭酸は抜けてしまいますが、冷たい炭酸飲料をペットボトルよりもある程度長く楽しみたい方には良い水筒だとおもわれます。参考にしていただけたらと思います。