BPAフリーの水筒とは?ビスフェノールA(BPA)が含まれた水筒の危険性など

             
  • 2023.06.12 / 更新:2023.06.12
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BPAフリーの水筒とは?ビスフェノールA(BPA)が含まれた水筒の危険性など

近年では大きな環境問題の一つとして、増え続けるプラスチック問題があります。そのため脱プラスチックが注目をされていますが、プラスチックの問題はそれだけではなく、人体に悪影響があるBPAという化学物質が含まれていることも問題の一つ。「脱プラ」が進んでいるもう一つの要因となっています。
このBPAですが、水筒を選んでいると「BPAフリー」という言葉が記載されているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。知らない方も、なんとなく知っているという方もしっかりと内容を理解していないこともあると思います。
ここではそのBPAフリーとはなんなのか。そしてこのBPAフリーのおすすめ水筒を紹介していきたいと思います。

BPAフリーとは

BPAフリーとは、一言で言うと「ビスフェノールA」が含まれていないことを現しています。つまりBPAとはビスフェノールAという化学物質の略称で、BPAフリーと書かれた水筒はこのビスフェノールAがプラスチックに含まれていないことを約束しているということです。
ではこのビスフェノールAとはいったい何なのでしょうか。

ビスフェノールA(BPA)について

ここからはビスフェノールA(BPA)とはどういったものなのか、人体への影響、今後の対応などを詳しく見ていきたいと思います。

ビスフェノールA(BPA)とは

ビスフェノールAは、主にポリカーボネート、エポキシ樹脂と呼ばれるプラスチックの原料

ビスフェノールAについてのQ&A|厚生労働省

ビスフェノールAはプラスチックを作る際に使用される原料で、従来からあるプラスチック製品の多くに含まれているものでした。6歳以上を対象にした米疾病管理センターの調査では、なんと93%の人の尿から測定可能な量のBPAが検出されたという発表があるように、BPAが含まれた食品容器から、食品や飲料に移行し、人間の体内へ取り込まれていました。
このように飲食容器の製造に使われて、当たり前のように人の体内に入っていたのがビスフェノールAです。

このビスフェノールAが体内に侵入すると、人体にどのような影響があるのでしょうか。

ビスフェノールA(BPA)の人体への影響

 1996年『奪われし未来(Our Stolen Future)』*の出版を契機に、日本国内でも大きく取り上げられました。環境省、厚労省等では内分泌かく乱化学物資(いわゆる環境ホルモン)問題として調査研究を開始しました。ビスフェノールAもその化学物質の一つです。

ビスフェノールA問題についてのQ&A

ビスフェノールが環境ホルモン問題として研究をはじめたのが1996年になり、当初の研究から、動物の胎児や子供に神経や行動、乳腺や前立腺への影響が確認されました。しかし、現在ではまだ人にどこまでの影響があるかは不明な点もある中で、今では胎児や乳幼児に関してはビスフェノールAを無効化する代謝能力が低く、微量であっても影響が出ることが分かっています。
妊娠中の女性や乳幼児でもプラスチックの水筒を使う場合は特に気を付けなくてはいけませんね。
また、ビスフェノールAは環境ホルモンの一種であるので、環境ホルモンとしての影響は考えなくてはいけないと思います。

人への影響という面に絞ったとしても、若い男性の精子数の減少、女性の子宮内膜症者の著増、生殖器ガン、子供の喘息とアトピーの増加、注意散漫多動症等々多岐に亘っている

「環境ホルモンの諸問題」 | 保健・化学物質対策 | 環境省

現状では大人に対しての問題がはっきりとは確認できていないとはいえ、危険な環境ホルモンの一種として後々影響が確認できる可能性もありますので、やはり避けなくてはいけない化学物資であるのではないかと思います。

ビスフェノールA(BPA)に関しての対応

厚生労働省としては、動物でのビスフェノールAの低用量影響の問題を受けて、新たな対策が必要かどうか検討するため、ビスフェノールAの低用量曝露がヒトの健康に及ぼす影響について、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼しました。その結果を基に食品衛生法における規制の見直しなどの必要な対応を行うこととしています。

ビスフェノールAについてのQ&A|厚生労働省

厚生労働省のホームページを見る限りでははっきりと法律で規制していくといった対応をしているわけではないことが分かります。ただ、厚生労働省が管理する食品衛生法では規制が決められているようです。

・材質中の量=500ppm以下
・製品から溶出する量=2.5ppm以下

https://jccu.coop/food-safety/qa/qa02_03.html

海外などでは幼児向けの製品にビスフェノールAの使用を法律で禁止している国もあるようですが、日本では禁止はせずに上記の規制があるといった程度のようです。


法律で禁止してほしいとは思いますが、どれだけ影響があるのか確信できるデータもないので仕方ないかもしれないですね。しかし、BPAを少しでも体内に入れたくないと思う人はほとんどではないでしょうか。ここからはBPAが使われていないプラスチック水筒を紹介していきたいと思います。

BPAフリーのおすすめ水筒

ビスフェノールAはプラスチックを作る原料なので、プラスチックの水筒に含まれる可能性があり、一部アルミ製にも含まれているようですが、ステンレスに含まれる化学物資ではありません。BPAフリーをアピールしているステンレス製水筒もありますが、当たり前としかいいようがないので、ここではプラスチックの水筒に絞って、BPAが使われていないボトルを紹介していきたいと思います。

nalgene(ナルゲン)の広口0.5L Tritanボトル

1949年研究用装備品として製造されたナルゲンボトル、高品質で軽量なボトルは研究用としてつかうだけでなく、1970年代から一般の人たちからも使われるようになりました。BPAを含まず、環境にやさしいトライタン素材もナルゲンはいち早く採用してシリーズ化。トライタンといえばナルゲンとも考える人も多いかもしれません。
こちらのピックアップした水筒ももちろんトライタン製ですが、ナルゲンの魅力は独自のキャップシステムにもあります。キャップと本体のねじ山がしっかり食い込む仕様は他のボトルにはない密閉性を実現しています。

サイズ:-
容量:0.5L

KINTO (キントー)の ウォーターボトル

キントーの人気ウォーターボトルもPCT樹脂を使ったBPAフリーの水筒です。ガラスのような透き通るような美しさがあり、おしゃれで多くの人愛されさていますが、持ち運びに便利な蓋の取っ手、少ないパーツ、飲みやすく広い開口部など機能性の高さも見逃せません。特に耐熱性が高く、食洗器にいれて洗うことができるのもうれしいポイント。
トライタンではないですが、傷がつきにくく割れにくい高品質な水筒になっているようです。

サイズ:φ70 x H200 mm (500 ml)
容量:300ml / 500ml /950ml

パール金属のPCアクアボトル

新潟県三条市に本社を構えるパール金属。キッチン用品のパールライフ、キャンプアウトドアグッズのキャプテンスタッグを展開するメーカーとして知っていられる方も多いと思います。キャプテンスタッグからもキャンプ用品として水筒はリリースされていますが、パール金属からも多くラインナップされおり、こちらのブロックスタイルも定番の一つ。
キャップシステムに特徴があり、スクリュー式ではなく押し込み型でありながら密閉性が高く、横にしても漏れは起こらず、多くのブロックスタイルを積み上げて使うことができます。多くのボトルが必要な場合、積み上げて場所を多く取らないのが良いですね。
素材には飽和ポリエステル樹脂が使われているので、BPAフリーの明記はないですが大丈夫だと思います。

サイズ:幅90×奥行75×高さ265mm(1L)
容量:750ml / 1L

キャメルバックのTritan Renew (トライタンリニュー)ボトル

トライタン素材を作り出したイーストマン社による新しいトライタン、認証リサイクル材料含有率50%の高性能コポリエステル「Tritan Renew (トライタンリニュー)」を使ったキャメルバックのエディプラス。
トライタンと同じように高品質なBPAフリー素材を使って作られたボトルは、ストローを起こすワンアクションで飲料を飲むことができ、ストローでありながら横にしても漏れることがない独特なキャップシステムも特徴的。デザインもおしゃれですし、カラーバリエーションも豊富です

サイズ:24.5 × W 9.8 × D7.8 (cm)
容量:750ml

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) のライスメモリ付スポーツボトル

職人の町として金物産業が栄える新潟県の三条市の地に本社を構えるパール金属のアウトドア部門として1976年スタートしたキャプテンスタッグ。コスパの良いアウトドアグッズなど、キャンパーから人気ブランドとして定着しています。
水筒もキャンプには欠かせないアイテムでありますが、こちらのスポーツボトルは飲料を入れるだけでなく、お米の量を測れるライスメモリ付。いかにもキャンプ時に有効に使えそうな、キャプテンスタッグらしいアイテムとなっています。
BPAフリーも魅力ですが、機能性の高さのわりに価格も安いのも良いですね。

サイズ:78×105×高さ265mm(500ml)
容量:500ml/550ml/650ml/1000ml

WEMUGのミニ ウォーターボトル

2010年・香港にて一人の女性により創業されたWEMUG。クラシックなスタイルとミニマリズムをイメージしたデザインの、おしゃれなボトルを多くリリースしているブランドです。
こちらの「mini smile」は350mlの手のひらサイズに、ボディにスマイルプリントがされた可愛らしいプラスチックボトル。密閉性が高く衛生的なシリコンフリーキャップ、素材には高品質でBPAフリーのトライタンを採用され、愛らしい外観からは感じることができない高い機能性が魅力的です。

サイズ:-
容量:350ml

まとめ

以上です。いかがでしたでしょうか。BPAは大人には影響は確認できていないわけですが、幼児や妊婦には影響があるということは、確実に人体にとってはないほうが良い環境ホルモンです。人によると思いますが、特に代謝が弱い人などは気を付けたほうが良いのかもしれませんね。
基準があるようなので、人体に影響があるほどのBPAが飲料内に溶け出す製品はないとは思いますが、それでもBPAフリーならとりあえずはBPAに関しては安心できると思います。
BPAフリー水筒の参考にしていただけたらと思います。

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