運動の後だけではなく、一般的な飲み物としても普及し始めているプロテイン。たんぱく質豊富で、健康維持のためにも飲みたい飲料でもあり、ジムに行った後に飲むだけでなく、オフィスなどにも持っていきたいと思う方もいるかもしれん。
しかし、水筒はさまざまな種類の素材で作られ、どんな飲料でも入れることができる容器ではありません。ここではプロテインはどんな水筒が向いているのか。また、入れて持ち運ぶことができるのかを見ていきたいと思います。
まずはプロテインとは何かを見ていき、その後、水筒に入れることができるのかを見ていきたいと思います。
プロテインとは
そもそもプロテインは英語で日本語に訳すと「タンパク質」になります。タンパク質は炭水化物・脂質に並ぶ3大栄養素の一つで、肉・卵・大豆などに多く含まれ、筋肉はもちろん、髪や内臓、皮膚などを作るのに必需な栄養素になります。実際にプロテインの主成分は名前からも分かる通り、タンパク質であり、プロテインを飲むことで多くのたんぱく質を体内に取り入れることができます。
一日に必要なタンパク質の量は
ではその人体を作るのに必需なタンパク質は、一日にどのくらいの量が必要になるのでしょうか。
たんぱく質の摂取量の目安(1日当たりの目安量) 日本人の食事摂取基準によると、一般の人が必要とするたんぱく質の量は体重1キロあたり0.8gです。 体重が60キロの人は1日当たり48gが目安となります。
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性別や年齢などにより必要量は変わってくるようですが、例えば一日にタンパク質が50g必要な人が、たんぱく質豊富な50gの肉を食べても26gのタンパク質しか得られず、必要量を取得するには100gの肉が必要になります。
しかし、毎日肉を100gも食べるのは、高い年齢層の方はもちろん、若い人でも難しい人も多いのではないかと思われます。そこで、飲料からタンパク質を効率よく取得できるプロテインが効果的となるわけですが、そんな豊富なたんぱく質を含むプロテインには種類があり、また、その成分なども見ていきましょう。
プロテインの成分
プロテインにはたくさんの種類があり、牛乳から作られ筋肉をつけるのに適しているホエイプロテイン・食事で足りない成分を補給できるカゼインプロテイン・大豆から作られるソイプロテインなどがあります。製品によってビタミンを補充できるタイプのものもありますが、どれもタンパク質がメインとなり、そのタンパク質の成分は主にアミノ酸になるようです。
タンパク質を構成するのは20種類のアミノ酸ですが、そのうち9種類のアミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン・スレオニン・メチオニン・リジン・フェニルアラニン・トリプトファン・ヒスチジン)は、自分で作ることができないため必ず食事から摂取しなければいけません。そのため、必須アミノ酸と呼ばれています。
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必需アミノ酸は筋肉の維持・疲労軽減・リラックスなど、運動後に良いだけでなく、肝臓の機能強化・神経伝達物質の生成・ヘモグロビンの合成といった人間の生活に必需な要素にもなっているため、重要な栄養素なのです。これをプロテインで効率よく取得できるので、健康維持にも良い飲料になります。
しかし、このタンパク質・アミノ酸が豊富の飲料を水筒に入れて持ち運ぶのには問題になる部分もあります。
プロテインを一般の水筒に入れられない理由
プロテインはドリンクタイプのものもありますが、粉末の状態で販売され、その粉末を水などで溶かして飲むことが多いです。飲む時に作って一気に飲み干してしまうのならどんな水筒でも問題はないと思いますが、自宅で作って持ち歩く場合はタンパク質の腐りやすい特徴が問題になります。
タンパク質やアミノ酸が分解される場合が腐敗で、糖類が分解される場合が発酵かというと、そうではない。腐敗はタンパク質を多く含む食品で顕著であるが、
(2010年7月発行)腐敗と発酵、腐敗と食中毒はどう違うのか?
タンパク質は食中毒菌などのエサとなり、そのまま放置すると微生物や菌が増殖する原因になります。
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菌が増殖するためには水が必要になりますが、水筒内には豊富な飲料があります。また、水温が30~35度の環境ではもっとも繁殖しやすいとの実験結果もありますが、水筒の中の飲料も長い時間入れていたりすればこちらの菌が繁殖しやすい温度になることもありますので、水筒は菌が増殖しやすい状態を作りやすい容器ということが言えると思います。
さらにタンパク質が豊富な飲みものを入れてしまえば増殖し、アミノ酸が分解されて腐るといったことになりやすいので、水筒にプロテインを入れて持ち運ぶのは推奨されないわけです。
まとめますと
- プロテインはタンパク質が豊富な飲料
- タンパク質は食中毒菌などの餌になる
- タンパク質やアミノ酸は分解されると腐敗する
- 水筒は菌が増殖しやすい環境を作りやすい
以上の理由により、プロテインは水筒に入れて持ち運ばないことが好ましいとなります。しかし、現地で作れない場合や、ドリンクの状態でどうしても持ち運ばなくてはならない時もあると思いますので、そういった場合も含めて、プロテインを入れて持ち運べる水筒はどのような特徴があるものが良いか、なども見ていきたいと思います。
プロテインを入れるのに適した水筒とは?
プロテインには粉末とドリンク状で持ち運ぶ場合の2種類があり、それぞれ適した水筒の特徴は変わってきますが、まずはどちらの状態であってもプロテインを入れる容器として必要な要素として、洗いやすい・キャップの密閉性が高いの二つが特に重要になります。
密閉性が高い
プロテインは粉末状で何かの飲料を混ぜて作らなくてはなりません。キャップの密閉性が高くなくてはならないのは、均等に飲料に混ざるようにシェイクしなくてはならないため。しっかりと密閉されないと漏れてしまい、不快な思いをしてしまいます。
水筒はパッキンのズレやつけ忘れの他、蓋の締まりが悪いなどのボトル自体に問題があり漏れることもありますので、しっかりと密閉される水筒を選ぶ必要があります。
洗いやすい
プロテインは腐りやすい飲料なので、しっかりと洗浄せずにボトル内に水滴を残してしまえばそこから増殖してしまいます。次の日などにそのボトルに飲料を入れて使えば、菌が増殖していますので、食中毒などの危険性が高い飲み物となってしまいます。
しっかりと洗う必要がありますが、一般的な水筒では底まで手を入れて洗える水筒も少ないので、撥水力や食洗機に対応しているかも重要になります。
以上の2つの特徴は粉末から作ってすぐに飲む場合と、ドリンクの状態で持ち運ぶ場合でもどちらにしても必要な要素であり、さらにそれぞれに適した容器も違うと思われますので、粉末・ドリンク状と分けて紹介したいと思います。まずは粉末のプロテインを持ち、飲む際に作る場合を見ていきます。
粉末のプロテインを持ち運ぶ場合
粉末状のプロテインを持ち歩いて、現地で飲む時に飲料を入れて作るといった場合が多いと思います。この場合は腐る心配はないので、どんな水筒でも問題はないのですが、特にプロテインはシェイクする必要があるのでシェイカー機能もあるプロテイン用の容器が良いと思われます。
GronG(グロング ) プロテインシェイカー 600ml
漏れないことを考えて作られたグロングの人気プロテインシェイカー。しっかりと締まるキャップは特徴的で、シェイクする際もキャップを抑えながら振りやすい構造をしています。また蓋は開いた状態で固定されるので、飲む際も邪魔になりません。細口でしっかりと口に入り、広口のようにこぼれる心配もない飲み口となっています。
また、蓋ユニットを取れば広口となり、手を入れてスポンジが底まで届くのでしっかりと洗えるのもプロテインを入れる容器としては良い点です。
容量:600ml
ザバス(SAVAS) プロテインシェイカー 500ml 黒
人気のプロテインSAVAS(ザバス)をリリースしているメーカーのプロテインシェイカーです。手にフィットしやすく持ちやすい形状でシェイクもしやすくなっています。また、腐りやすいプロテインを入れるので、衛生面を意識した構造にもなっており、広い口で手を入れてしっかりと底まで洗える構造になっています。
価格も大変安くなっており、500円で購入できるコスパの良さも魅力。安いだけに質の面が少し心配ですが、口コミなども評価が高いです。
容量:500ml
関連:ザバスのプロテインシェイカーは漏れる?500mlとコンパクトタイプ350mlの比較など
ブレンダーボトル Classic V2
シェイクするボトルとして、とても人気のあるブレンダーボトルの「Classic V2」。もともと人気であったクラシックタイプをさらに進化させたのがこちらのクラシックV2になります。特許を取得している付属のブレンダーボールを入れてシェイクすることで、なめらかに混ぜることを実現。
V2では底面にラウンドベース、人工工学に基づいた飲み口スパウトガードを採用し、人工工学に基づいたキャリーループにグレードアップなど、さらに使いやすくなっています。
容量:600ml
ドリンクのプロテインを持ち運ぶ場合
プロテインシェイカーは粉末のプロテインをドリンクにして飲むのに最適です。しかし、普段使いもする一般的な水筒にドリンク状のプロテインを入れて持ち運びたい場合もあると思いますが、ドリンク状のプロテインを水筒に入れて持ち運ぶのはおすすめはできません。
前述の通りプロテインはタンパク質豊富で腐りやすい飲み物です。さらに菌が繁殖しやすい水分が豊富な水筒では、飲料が腐ることに関してはより慎重にならなくてはならず、内部の飲料の温度をもっとも雑菌などが繁殖しやすい30~35度にならないようにしなくてはなりません。
なので冷やしたプロテインを持ち運び、その温度をキープするのが大事になりますので、保冷効力の高い水筒を選ぶ必要があります。
プロテインシェイカーはプロテインを作るのに理想的な水筒ですが、プラスチック素材でつくられているため保冷効力がありません。保冷効力の高い水筒は真空断熱構造のステンレスタイプの水筒になり、真空断熱構造の精度や飲み口の大きさにより、温度をキープできる効力も違ってきます。さらに洗浄後にプロテインがしっかりとボトル内に残らない撥水性が高いタイプが良いです。
まとめると条件は下記のようになります。
- 保冷効力が高く、温度を長くキープできるステンレスの真空断熱ボトル
- 撥水性が高く洗浄後もプロテインが残らない
タイガー真空断熱MMZ 500ml
リニューアルされたタイガーのMMZは、パッキンと栓が一体となったシームレスせんとなり、食洗機にも対応と、今の水筒の最新のトレンドを備えたボトルになっています。スリムでコンパクトな形状なので、内部をスポンジなどで洗うことはできませんが、食洗機で洗浄できるのは良い所でプロテインを入れても食洗機できれいにできます。
また、タイガー独自のスーパークリーン+を採用していますので、高い撥水性があり汚れも残りにくいです。ただ少しキャップをきつく締めすぎてしまうと開けにくいといったこともありますので、注意したい面はあります。
容量:200ml / 300ml / 350ml / 500ml / 600ml
京セラ セラミックマグボトル 500ml
京セラのマグボトルはセラミックコーティングを施された水筒です。京セラはセラミックを使った多くの製品をリリースし定評があるので、セラミックのコーティングも質の高いものになっているようで、強力な撥水性があります。内部はほとんど水分が残らず、酸性飲料もいれることができるほどなので、プロテインを入れて大丈夫ではないかと思われます。もちろんしっかりと内部の洗浄は行わないといけません。
キャップはしっかりと締まりますが、保冷効力はサーモスなどに比べると少し劣るような感じがしました。
容量:350ml / 500ml
関連:セラミック加工の水筒とは?京セラのマグボトルを使った感想など。
まとめ
以上です。プロテインは水筒に入れて持ち運べるかを見てきましたが、いかがでしたでしょうか。やはりプロテインは腐りやすいので、ドリンクにして持ち運ぶことは辞めておいた方が無難だと思われます。特に粉末のプロテインは飲料をいれてシェイクする必要があるので、一般的な水筒では漏れる可能性もありますし、やはりシェイカーとして使えるボトルの方が向いています。
また、プロテインシェイカーはプロテインの性質上、腐りやすいことを考えて底まできれいに洗えるように設計されており、シェイクしても漏れないような構造となっていますので、手を入れて底まできれいに洗いたいと考える方には一般的にも使いやすい水筒になっていると思います。
以上です。参考にしていただけたらと思います。