セラミック加工の水筒とは?京セラのマグボトルを使った感想など。

             
  • 2023.08.09 / 更新:2024.02.23
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セラミック加工の水筒とは?京セラのマグボトルを使った感想など。

水筒を選ぶ際にボトル内面の加工を見る方は少ないと思いますが、どんなコーティングをされているかで撥水性に違いがあり、撥水力があれば内面を清潔に保つことができるため、選ぶ際に重要な要素にもなります。
セラミックという言葉は聞いたことがある人は多いと思いますが、水筒にもセラミック加工をされたものがありますので、どうなのか気になる方もいるのではないでしょうか?
京セラはセラミックで有名であるので、ここではセラミックで加工された京セラのマグボトルを見ていきたいと思いますが、合わせてセラミックとはどういった素材なのかなども見ていきたいと思います。

セラミックとは何なのか

京セラのセラミックを見ていく前に、そもそもセラミックとはなんなのかを見ていきたいと思います。

セラミックスとは「人為的な処理によって製造された非金属無機質固体材料」のことです。

セラミックスとは? | 公益社団法人 日本セラミックス協会

セラミックは金属ではない物質を人の手により固められたもので、詳しくは「金属ではない無機物の窒化物・炭化物・酸化物・ホウ化物などの粉末を使い、人為的に加熱によって固めたもの」がセラミックと言われます。
セラミックと言えば陶磁器を思い浮かべるかもしれませんが、広義では金属やプラスチック・ナイロンなどの有機物以外、ガラス・ダイヤモンド・シリコンなどもセラミックスになり、パソコンもテレビもスマホも建物などもセラミックということになり、身の回りに溢れているものになります。
そして水筒に施されているセラミックコーティングとは、ボトル内部をこのセラミックを使って薄い膜で覆うことをあらわしています。

セラミック成分主体の薄い膜を作ることで、 材料を様々な負荷から保護したり、材料に新たな機能性を装備する表面処理技術の1つ

セラミックコーティングについて | 日本アイ・ティ・エフ株式会社

はっきりとしたことが書かれているものがないのですが、窒化物・炭化物・酸化物・ホウ化物などの無機物の組み合わせ方により、セラミックでも特徴が変わってくるのではないかと思います。そのセラミックで薄い膜を作り、製品に表面処理されてコーティングが出来上がります。

水筒の場合は内部にこのコーティングが施されることになりますが、どういった効果があるのかを見ていきたいと思います。

セラミックの特徴と水筒

セラミックは多くの特性を持ちますが、その中でも水筒に関するものを見ていきたいと思います。

1,耐熱・耐蝕性がある

セラミックスの特徴としては、非常に緻密で硬く、酸化して錆びることがなく、高い耐熱性、耐蝕性、絶縁性、耐摩耗性などを持つことです。

セラミックスとは ~工業製品や腕時計など用途は多数~ – Orbray MAGAZINE Orbray株式会社

耐熱性の強さに関しては、水筒には熱い飲み物を入れますので、内部にコーティングされたセラミック加工が解けてしまっては意味がありません。耐熱性が強いことで、水筒内部のコーティングとしての役割を保つことができます。
また、ステンレスは水分により比較的錆ることのある物質です。水筒はステンレスで作られたものも多く、飲料を入れるために錆やすいくなってしまうのですが、セラミックは耐蝕性があるので錆ずに長持ちさせることができます。

2,酸性に強い

酸やアルカリの水溶液に浸しても変化が少なく、強い耐薬品性を有しています

化学や医学とファインセラミックス-耐薬品性(たいやくひんせい)

一般的なステンレス製水筒は酸に弱く、ボトル内部のステンレスを溶かしてしまうために、炭酸飲料や乳酸菌飲料、ポカリなどのスポーツドリンク、クエン酸を含む果汁飲料など、酸性の飲料は入れることはできないのですが、耐薬品性に強いセラミックで内部が加工された水筒ならば、これらの酸性飲料も入れることができるようになります。

3,撥水性が高い

セラミックコーティングとは、あらゆる自然環境から愛車の塗装を保護することを目的としたコーティング剤で、分子レベルで塗装と硬化結合することで、主に撥水性のコーティング被膜を形成するのが特徴

【2023年最新】セラミックコーティングとは?メリット・価格・おすすめの選び方を解説 – Gtechniq

そもそもセラミックコーティングは撥水性を高めるコーティング被膜でもあるとされていますので、ボトル内部にコーティングされれば飲料を弾きます。また、しっかりとした作業工程を経てセラミックでコーティングされた製品ならば、表面もなめらかになり汚れが付きにくくなるなどがあります。特に水筒では内部に手が入らず洗いにくいものが多いので、汚れやにおいの付着を抑えてくれればメリットも大きくなります。

4,環境にやさしい

セラミックの他に水筒のコーティングで人気があるのがフッ素コーティングなのですが、こちらは消滅しない残り続ける物資なので、環境の問題があります。しかし、セラミックの場合は無機物の組み合わせで環境にやさしいコーティングにすることも可能なようです。

以上がセラミックコーティングを施すことで得られる水筒のメリットになりますが、長くなったので一旦まとめてみます。

  • 熱に強いのでホット飲料を入れることがある水筒にも使える
  • 耐食性があるのでステンレスの内部を錆びさせない
  • 酸に強いので、酸性の飲み物もいれることができる
  • 撥水性が高くなり、水や汚れを弾いて清潔に使うことができる

このように、セラミックでコーティングすることで多くのメリットがあることが分かります。

京セラのセラミックコーティング水筒

このセラミックを使った水筒はいくつかありますが、そこまで多くはありません。その中でやはり京セラは1959年にいち早くセラミックを使い事業化を行い、上場しているようにセラミックを扱う企業の中でも一番大きく、代名詞的な存在ですので、セラミックでコーティングされた水筒を探している方の関心も高いと思います。なので、この京セラのセラミックボトルを見ていきたいと思います。

まずは特に特徴的な部分3つを紹介します。

撥水性が高い

上述したように、内部にセラミックコーティングを施しているので、水をよく弾き、汚れもつきにくい仕様となっています。また、酸にも強いので、一般的なステンレス水筒で入れることが出来ないスポーツドリンクなどもいれることができます。

ボディに波加工

ボディに波状の加工が施されており、ストレートな形状よりも指に引っかかる所があるので持ちやすさがあります。水筒は何度も持ち上げて飲みますので、落としにくいことも使いやすさの上で重要になりますので、持ちやすいことは選ぶ上での一つの大きな要素になります。
また、デザイン的にもスリーウェーブでおしゃれなのではないでしょうか。

樹脂製の飲み口付き

樹脂製の飲み口栓があり飲みやすいです。ステンレスの飲み口に直接口をつけると冷たさを感じますが、樹脂製なので柔らかさがあります。また、口を付ける部分なので、清潔に使いたい場合にはこの飲み口栓を外して洗うことができるので、手軽に行うことができます。カラーも濃いピンクと口紅が目立ちにくくなっています。

以上になりますが、ここからは実際に使ってみて確認して行きたいと思います。

使ってみた感想

スクリュー栓のマグタイプとワンタッチタイプがあるようですが、人気の高いマグタイプの水筒をレビューいたします。

見た目は?

カラーによりイメージも変わって来るかと思いますが、ボディに波があり、太さもありますので、ブラックなどはスタイリッシュさよりも無骨よりかっこよさがあると思います。こちらは350mlですが、500mlでも太さは同じなので、イメージは変わらなないとは思いますが、350mlローズピンクは女性向けのかわいさもあると思います。

持ちやすさは?

スリーウェーブの波がありますので、ストレートな形状よりは指にかかる感じがあるので良いとは思います。表面にはアクリル樹脂塗膜加工が施されているので、滑らずに、手に張り付く感じがあります。マット加工などで見た目は良くてもスベスベな手触りは持ちにくさを感じる人も多いようですが、そういった感じではないです。
350mlにしては重さもありますので、持ちにくくはないですが特別に持ちやすくはないかと思います。

持ち運び安さは?

横幅が68cmとスリムさはなく、350mlのわりに重量が228gと重めです。スリム軽量な水筒とは少しの違いがあり、薄いバッグなどに入れて持ち運ぶ場合は少し邪魔に感じる可能性があります。狭いスペースに入れる場合は向かず、重いので持ち運びやすさは低いかもしれません。

サイズ感は?

他の340mlや350ml水筒と並べてみましたが、いかがでしょうか。サイズ感は特に大きいと感じることもないと思われます。もちろん比べている水筒にもよりますが、コンパクト寄りに見えるのではないでしょうか。

飲みやすさは?

樹脂製の飲み口がついており飲みやすさがあります。こちらはストレーナーにはなっておらずにステンレスに直接口がつかないようにした簡易的なものですが、ないよりもずっと飲みやすさはあると思います。さらに口径も広い作りなので、グイッと傾けても鼻に当たりません。そういった点もよいですね。
ただ、ネジ受けが内部ではなく外側にある作りで、飲む場所によっては凸凹が唇に当たり、違和感を感じることがあるかもしれません。

洗いやすさ?

こちらの画像は水を入れ、捨てて1回切った後のものになりますが、ほとんど水がないように、高い撥水力があることが分かります。汚れも匂いなども付着しにくく、これならばすすぎ洗いで十分なように思いますが、こちらのセラミックマグは口径もとても広く、350mlならば底まで手が届きませんが、家庭用スポンジでボトル内部も洗うことができますので、手洗いの場合はかなり洗いやすさはあると思います。

マグボトルの蓋裏は狭い溝ができてしまいますが、この程度なら指も入るほどですし、他の直飲みのマグボトルに比べれば洗いやすいです。スポンジのタイプによりますがしっかりと奥に届くと思います。口をつけた飲み口が収まる部分なのでしっかりと洗わなくてはならないところですが、スポンジと食器洗い洗剤でしっかりと洗うのが良いです。

漏れ・パッキン

パッキンは2つあり、どちらも柔らかく、伸びるタイプなので付けにくさはないと思います。蓋の方のパッキンはつめもあり取りやすいですし、2つとも正しい向きがありますが、間違えることはないと思います。
パッキンを付け間違えたり、飲料を入れすぎたりしなければ漏れは起こりにくく、実際に何回か使っていますが漏れはないです。

デメリットは

ここまで見てきた中でデメリットと呼べる部分はないと思いますが、しいて挙げるなら構造上仕方ないですが、パーツが多い点があると思います。樹脂製の飲み口があるため、パッキンも2つあり、蓋の他に飲み口もあるので通常のマグボトルよりもパーツが多くなってしまいます。手洗いしかできないので、パーツの多さは手間になってしまいます。少しの違いですが実際に何度も洗っていると正直面倒に感じてきます。
また、温度は図りませんが、冷たい飲料を持ち運んだところ、少しぬるくなるのが早かったように感じました。

口コミ

京セラのセラミック加工ボトルは人気も高く多くのコメントが寄せられていましたので、良いと悪いに分けてみていきたいと思います。

良い口コミ

  • 普通のステンレスの、タンブラーに比べると、味の変化が極めて少ないと思う。(全く変わらないわけではないように思った。個人の感想)
  • 500mlのKyocera水筒を長く使っているがコーテイングが剥がれたり悪くなった感が無い。
    他社製の内側コーティングした水筒を色々使ってきたが、Kyoceraは最も耐久性が高く良好。
    同じ350mlをリピートしました。
  • 口も広いし内部コーティングが良い!この値段では出来過ぎだと思う。
  • 一般的なステンレス製タンブラーと比較して、金属臭と味の劣化が抑えられていて良かったです。

悪い口コミ

  • ただ、朝7時に入れたコーヒーが12時には、少し冷めてます。もうちょっと熱いコーヒーが飲めたらなーと思います。あと、蓋の開封がしにくく、蓋を閉じる時も硬いです。
  • 春先に使っていたときには12時間くらい中の氷が溶けずに残っていましたが、やはり今の時期は5~6時間程度で無くなりますね、中身は冷たいままなので良いのですが、他社の某象メーカーくらいの保冷力を期待していたので耐えて欲しかった…!
  • 内部がセラミックなのでコーヒーの味は良いです。が、飲み口の成形結合部がちょうど唇にあたるようになっており、口当たりが不快です。
  • 思った通りよ良い製品でしたが、欠点はパッキンが外しにくいので、洗うのは面倒でした。

まず良い面で多かった口コミがコーヒーの味が変わらないといったことで、これは内部がセラミック加工のため、ステンレス水筒にある鉄の匂い映りがないといったことで良いのかと思います。コーヒー用のボトルとして評価が高いです。
また、悪い面としては保冷・保温力に欠けるといった面があるようです。ステンレス2重の魔法瓶構造なので他の水筒とそこまで変わりはないと思いますが、効力が弱いといった声が多かったです。

まとめ

ボトル内部にセラミックコーティングされた水筒を始めて使いましたが、撥水性の高さにびっくりしました。コーヒーボトルとして人気がありますが、長時間いれても味が変わらないとの評価ですが、これも強力な撥水力で内部で飲料を弾いているからこそだと思われます。
また、残念な所では自分も感じましたが少し保冷・保温の効力が弱いのかもしれません。ただあまり時間をかけずに4,5時間程度で飲み干すのでしたら問題ないとも思います。
セラミックコーティングの撥水力と環境にやさしい点は素晴らしいですし、広口で洗いやすい点なども良く、魔法瓶メーカーほどの保冷・保温効力がなくともとても良い水筒だと思います。
以上です。参考にしていただけたらと思います。

その他のセラミック水筒

東亜金属 ノジェン セラミック ステンレス ボトル

東亜金属のノジェンシリーズの水筒です。ノジェンとは忙しい毎日にちょっとした楽しみや、ほっとする優しいひととき与えるボトルシリーズで、こちらは木目調の蓋にリーフのイラストといった自然を取り入れたものになっています。
軽量設計で持ち運びしやすく、専用の飲み口付き。内部はセラミックと、東亜金属らしく水筒としての作りもしっかりとしたものとなっているようです。

容量:200ml / 300ml

ACERA マグボトル セラミック製

ACERA(アセラ)は1986年に、台湾にて誕生したマイボトル普及を推進するボトルブランドです。中華伝統の陶磁器技術を受け継ぎいだボトルをリリースしているようで、確かに日本のメーカーにはみられない独特なデザインは「iFデザイン賞」や「レッドドット・デザイン賞」などを受賞しているように評価も高いようです。
ただ売るだけではなく、地球のゴミを減らすべく活動しているように、セラミックを使ったボトルも環境を考えたものであり、デザインだけではない魅力的なボトルです。

容量:350ml

マーナ(marna) Everywhereマグ

マーナは1872年創業の生活雑貨を扱うメーカーです。水筒はcocuriシリーズに属しており、いくつかのボトルがありますが、中でもEverywhereマグは飲みもの本来のおいしさを「五感」で愉しめるマグボトルとして、独特な飲み口栓を使用した飲み心地、セラミックの使いやすさや清潔さにこだわった仕様となっています。
Everywhereマグに限らず、製品のすべてがスタイリッシュで手にしたくなります。

容量:200ml / 350ml / 500ml

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