夏場やお風呂上りにおいしいビール。毎日飲む人がいるようにとても親しまれ、アウトドアの外出先でも冷たいビールを飲みたいと思う人も多いようです。そうした中で、近年では強力な保冷機能を持つ水筒も多いので、そうしたボトルにビールをに入れて持ち歩きたいと思う人も多いのではないでしょうか?
しかしそもそも水筒にビールを入れていいのか迷う人も多いのではないかと思います。
ここではビールは水筒にいれることができるのか?また入れるためにはどういった条件があり、どの水筒がおすすめかなどを見ていきたいと思います。
一般的な水筒にビールはいれることができないので専用のボトルが必要
前提として、ビールは酸性であることと、アルコールが入っていることのために、一般的な水筒に入れて持ち運びすることができません。しかし、ビールを入れることができるように設計されている水筒なら入れることが出来ます。
まずはビールに含まれる成分を見ていき、その含まれる成分や特性の酸性飲料とアルコールがなぜ水筒に入れることはできないのか、その後に、ビールを入れることができるおすすめの水筒を紹介させていただきたいと思います。
とりあえずビールを入れることができるおすすめの水筒をすぐ知りたい方はこちらに飛んでいただきければと思います。
炭酸・アルコールが入れられる水筒とはビールの成分
まずはビールの主な成分を見てみたいと思います。
ビールの主な原料は麦芽とホップと水です。麦芽由来の成分が発酵により炭酸ガスとアルコール、そしてビールの香りや味の成分を形成し、ホップの成分はビールの苦味と香りを生み出すことで、ビール独特の味わいが誕生
おいしいビールの原料 | サッポロビールのこだわり | サッポロビール
麦芽とホップと水を主成分とし、米、コーンスターチ、糖類などの副原料により発酵度をコントロールして出来上がるのがビールのようです。
麦芽やホップ、水の主成分に関しては水筒に入れても問題になることはありません。しかし、副原料を使った発酵によって発生する炭酸ガスとアルコールが水筒に入れるには問題になります。その炭酸とアルコールがなぜ水筒には入れられないのかの理由を見ていきたいと思います。
ビールに含まれる炭酸ガスとアルコールはなぜ水筒にはNGなのか
ビールは炭酸飲料であり、アルコールが含まれた飲み物であることは前述のとおりですが、水筒にはこの炭酸の飲み物とアルコールは入れてはいけない物に分類されています。
炭酸がだめな理由
まず炭酸とは水に二酸化炭素が入ったもので、二酸化炭素は水溶液中で酸性となります。炭酸の入ったビールは弱酸性の飲料ということになり、酸性の飲み物は金属を溶かす性質があるために、ステンレスの水筒には向かないことになります。
アルミニウムや銅、鉄など、金属で作られた容器や調理器具は、酸性の食品に接触すると金属が溶け出すことがあります
引用元:東京都福祉保健局
現在のステンレス製の多くは内部がコーティングされ、鉄や銅がむき出しの状態のものは少ないようですが、それでも近年においても酸性の飲み物が内部の金属を溶かし、それを大量に飲んだ人が頭痛や吐き気などの金属中毒を引き起こした事件も発生しています。
また、炭酸ガスが内部に溜まるとキャップなどが破裂する恐れもあるようです。
炭酸ガスによりボトル内の圧力が上がると、キャップや蓋などが破裂する恐れがある
引用元:https://travel.watch.impress.co.jp/docs/series/ichioshi/1405728.html
水筒の多くはステンレスとプラスチックに分けられますが、前述したとおり酸性の飲み物が溶かすのは金属なのでプラスチックでは大丈夫かもしれませんが、炭酸ガスが貯まる危険はどちらにもいえることなので、やはり金属製、プラスチックどちらの水筒には向かない飲み物だと言えます。
アルコールが駄目な理由
またアルコールに関しては、炭酸と同じくボトル内部で発酵する可能性があるため、気をつけなくてはいけないことがあります。
アルコールは、乳製品と同じく、発酵して内圧が上昇し、ふたが飛ぶ、など爆発の恐れがありますので、入れないでください。また、臭いが本体や中栓、パッキンに付着して、とれなくなる可能性があります。
引用:support.tiger.jp/faq/
上記のように象印のホームページにはアルコールに関しての記載がありますが、入れないで下さいとはっきりと記されています。
アルコールは発酵することで炭酸と同じく内圧を挙げてしまい、さらにそれが爆発につながる恐れがあります。危険が伴うアルコールや炭酸が含まれたビールですが、それを入れられる水筒とはどういった特徴を持つものになるのでしょうか。
炭酸・アルコールが入れられる水筒とは
今まで見てきたビールが水筒にダメな理由として2つがあります。
- 酸性飲料はボトル内部の金属を溶かし、それが飲料に混入してしまう。
- アルコールや炭酸による内圧が上昇し破損する恐れがある
上記の1の方は直接金属に触れることがない、フッ素などの内部のコーティングにより防げるので、問題は2の方になりますが、近年では炭酸とアルコールによる爆発を防げる水筒がリリースされています。
炭酸やアルコールを入れることが出来る水筒は、内圧の上昇を防ぐため、キャップが通常のものとは異なり、内部のガスが抜ける構造をしています。
例えばタイガーの炭酸飲料対応の水筒では、蓋を開ける時とボトル内部が炭酸で圧力が上がった際に自動でガスが抜けるBubble Logic(バブルロジック)と言われる安全弁を備えた独自のキャップを開発されているようです。
また、その他に、ガスを抜くのではなく、圧力に負けないほど密閉性を高め、蓋が飛ばないように強く固定されたものなどあり、こういった炭酸に対応した水筒をグロウラー、グラウラーと呼びます。
ここからはグロウラーなど、人気のメーカーの製品を中心に紹介していきたいと思います。
STANLEY(スタンレー)
1913年にアメリカのマサチューセッツ州で誕生したSTANLEY(スタンレー)。真空ボトルのパイオニアの一つであり、孫の代まで使えるといわれる堅牢さが特徴で、アウトドア関連のブランドとして認知されています。無骨なボトルが魅力的ですが、Goシリーズのようにスタイリッシュなデザインもリリースされており、近年ではフードジャーやランチボックスなど幅広く展開されています。
STANLEY スタンレー 真空断熱ボトル グロウラー 1.89L
スタンレーのグロウラーは人気のゴーシリーズ、定番のクラシックシリーズからリリースされています。どちらも1.9リットルと大容量で、大きなハンドルを使い、直飲みではなくコップやタンブラーに移して飲むタイプになります。
見た感じでは圧力を逃がすのではなく、強力なロックで蓋が飛ばないような構造だと思われます。海外ではビールの量り売りがあり、その際に使用される定番のグロウラーの1つとなっているようです。
TIGER(タイガー)
大阪府門真市速見町に本社を構えるタイガー魔法瓶株式会社。歴史は古く1918年より、魔法瓶に関する業務を行っています。空断熱技術や電気による熱コントロール技術を応用した水筒やジャーなど、多くの製品をリリースされており、親しまれています。ただ物を売ればいいという考えの元に活動しているわけではなく、特にサステナビリティを重視し、健康・人権・環境に配慮した開発を行っています。
タイガー魔法瓶 グロウラー MTA-T050GE
独自のガス抜き構造キャップを備えたタイガーのグロウラーMTA。サイズも500mlから1500mlまで幅広くラインナップされており、500mlならばいつでもどこでも炭酸やアルコールを飲むことができますね。
圧力を抜くだけではなく、内部のタイガー独自の「スーハークリーンプラス」コーティングは凹凸のない滑らかなコーティングなので、炭酸がどこにもあたらずに気化しにくく、圧力も抑えてくれます。
Thermos(サーモス)
真空魔法瓶のパイオニアとして日本ではかなり親しまれているサーモス。1976年に日本酸素株式会社がステンレス魔法瓶の開発を始め、1978年には日本初の真空ステンレス魔法瓶「アクト・ステンレスポット」を製品化しリリース。
その後、世界各地のサーモス事業を買収したことで、日本酸素ホールディングス株式会社のブランドとして認知されることとなりました。サーモスは魔法瓶を表す言葉として欧州では代名詞となっていますが、日本では日本酸素のブランドをそのものを表すほど浸透しています。
サーモス 保冷炭酸飲料ボトル 保冷専用 FJK
サーモスのFJKも炭酸をいれることができる水筒です。こちらは蓋を回す際に圧力を逃がすことができる構造のキャップを採用。圧力が上がると自動で逃がすことはないようです。圧力を逃がしてくれるので、アルコールが発酵して内圧が上がっても問題ないと思われます。キャップもスマートで通常の水筒と変わらない作りなのが良いですね。
その他のビール対応水筒
パール金属 ビール対応 HC-49
パール金属のビールにも対応している保冷専用ボトル「HC-49」。ハンドルが付いて持ち運びがしやすく、底にはシリコン素材が設置されて衝撃に強いボトルになっています。蓋を回すときに炭酸を逃がすことができる2段階の仕組みで、一段階目で圧力を逃がし2段階蓋を開けることができます。
ボトルメーカーではないパール金属なので、少し心配があるかもしれませんが、口コミなどを見ても批判的なレビューも少なく、良い水筒なようです。
容量:600ml / 800ml
サイズ:(約)外径8×高さ27cm (800ml)
重量:(約)0.42kg (800ml)
アトラス SPARX(スパークス) 炭酸ボトル
アトラスのグロウラー「SPARX (スパークス)」は、真空断熱2重構造で長時間温度をキープ、ハンドル付きで持ち運び安いアウトドアタイプ。圧抜きはレバーでワンプッシュで行うことができますが、30分置きをめどにプッシュして圧を抜く必要があるようです。
ステンレスには高品質なSUS316を使い、真空断熱構造に銅メッキ加工を施すなど質の良いボトルになっているようです。
容量:370ml / 540ml
サイズ:7.4×7.4×21.0cm(370ml)
重量:275g(370ml)
水筒に入ったビールをおいしく飲むには
ビールに対応したボトルもそれなりにリリースされており、暑い日に保冷効力の高い水筒に入れて持ち運ぶのも良いと思います。
ただし、炭酸対応の水筒は、ボトル内に貯まってしまう圧力を抜かなくてはならない構造上、やはり炭酸の抜けも早く、炭酸の抜けたビールを飲むことになってしまうので、その点は考慮した方が良いと思います。
炭酸対応しているといっても炭酸をボトル内に閉じ込める仕組みではないため、水筒に入った炭酸の効いたおいしいビールを飲むためには、なるべく早く飲むことがおすすめです。
まとめ
以上です。いかがでしたでしょうか。アルコールと炭酸が一般的な水筒には入れてはいけないことが分かっていただけたかと思いますが、最近ではビールや炭酸に対応したボトルが多くリリースされているようです。
サーモス、スタンレーなどの他にもさまざまなメーカーからリリースされていますが、中でもタイガーのグロウラー MTA-T050は特に安全性も高くビールを入れるための質が高いようでおすすめです。
外出先でも水筒を使って快適にビールを飲みたいですね。参考にしていただけたらと思います。