水筒を冷蔵庫や冷凍庫に入れても大丈夫か?保冷の効果は?

             
  • 2023.09.12 / 更新:2023.11.23
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水筒を冷蔵庫や冷凍庫に入れても大丈夫か?保冷の効果は?

水筒を冷やして冷たい飲み物を飲みたいといったことで、冷蔵庫や冷凍庫に入れて水筒を冷やしてみようかと思うこともあるのではないでしょうか?冷えていない飲料を水筒に入れて、前日に冷蔵庫に入れてそのまま次の日に持ち運べれば、朝の忙しい時の時短にもなって便利ですよね。
ここでは水筒は冷蔵庫や冷凍庫に入れても良いのかといった疑問の解決や、実際に試してみた結果を見ていきたいと思います。
まずは冷蔵庫に入れるとどうなるかを見ていきます。

水筒は冷蔵庫に入れても大丈夫か?

水筒は主にステンレスとプラスチックがありますが、プラスチックの水筒に関しては市販されているペットボトルのことを考えれば冷蔵庫に入れても大丈夫なことが分かりますし、内部の飲料が冷えることも理解されていると思われます。気になるのはステンレスになるのではないでしょうか。
結論から言うと、ステンレス水筒を冷蔵庫に入れても問題はありません。説明書を見ても特に入れてはいけないといった記載はないです。

象印のステンレスマグボトルの説明書

しかし、冷蔵庫に入れて水筒を冷やしても、ボトル内部に入っている飲料の温度が下がることはなく、保冷の効果はないようです。サーモスや象印ホームページでも、中の飲み物を冷やすことはできないと記されています。

フタをしめた状態で冷蔵庫で冷やしても、効果はありません。

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ステンレスボトルを冷蔵庫に入れても、断熱構造のため、中の飲み物を冷やすことはできません。
飲み物を冷やす場合は、別の容器に入れて冷やしてから、使用してください。

ステンレスボトルや水筒を冷蔵庫に入れて冷やしたい。入れてもいいですか? | よくあるご質問(FAQ) | お客様サポート|象印マホービン
  • ステンレスの水筒は冷蔵庫に入れても問題ないが、内部の飲料は冷えない
  • プラスチックの水筒は冷蔵庫に入れて冷やすことができる

メーカー側が主張するように、ステンレスの水筒は冷蔵庫に入れても内部の飲料が冷えないとのことですが、それがなぜなのかも気になる所です。

なぜステンレス水筒に入った飲料は冷蔵庫で冷えないのか?

ステンレスの水筒はほとんどが2重構造となり、その2重壁の間を真空にすることで内部の飲料の保冷保温を保ちます

2重構造ステンレスの間には真空層

引用:タンブラーの構造と種類について|ノベルティ提案で差がつく!

ステンレスの水筒は2重壁の構造となっているのが一般的です。この2つの壁の間の真空層が熱の伝達を防いでいるわけですが、真空とは日本産業規格 (JIS)では「大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態」と定義されています。
これは高い山に登ったり飛行機に乗ったりすると、気圧の違いを感じることがあると思いますが高い所では気圧が低くなるためです。大気中の分子が少なくなり、そのため空気が薄く、お菓子の袋などがパンパンになったりしますね。
熱伝導を行うためには分子が必要になるのですが、この気圧の低い、分子が少ない真空状態は熱を伝達する手段も少ないことになります。
そのため、真空層があるということは外からも中からも熱の影響を受けないことになるので、冷蔵庫など冷えた所に入れても真空層が熱伝導をカットして、意味がなくなってしまうわけです。

真空断熱技術についてタイガー魔法瓶

理論的には真空層になっていれば、熱の伝達はないので冷蔵庫に入れても温度は変わらないといった理屈は分かりましたが、それが本当なのか気になる所でもあるので、実際に冷蔵庫に入れて試してみたいと思います。

真空2重構造のステンレス水筒は本当に冷蔵庫で冷えない?

ステンレス水筒は単純なステンレスの壁を持つものと、魔法瓶構造の真空2重構造がありますが、近年発売されているステンレス水筒はほぼ真空層を持つ2重構造になりますので、ここでは魔法瓶構造の2重構造の水筒を対象に実験していきたいと思います。

象印とリーチウィルの水筒

真空2重構造の水筒は冷蔵庫に入れても中の飲料は冷えないといったわけですが、ここでは飲料の入った真空2重構造のステンレスマグボトルを冷蔵庫に入れ、実際に温度が下がるのかどうかを見てみたいと思います。
メーカーにより真空層の違いもあると思いますので、保冷保温効力の高いメーカーの水筒と、そうではないメーカーのボトルの違いも見てみたいと思います。

350mlの直飲み水筒では最も軽量なReachWill(リーチウィル)のマグボトルを使ってみました

リーチウィルの真空2重構造ステンレスマグボトルに水温計をいれる
象印の真空2重構造ステンレスマグボトルに水温計をいれる

まずは、二つのステンレスボトルに2.6度の水を入れました。

冷蔵庫に入れた象印とリーチウィルの水筒

ボトルの蓋はしっかりと閉め、だいたい時間は19時に冷蔵庫にいれて、4時間後に何度になるのかを見てみたいと思います。

冷蔵庫に入れた後の象印のステンレスマグボトルに水温計をいれる
冷蔵庫に入れた後のリーチウィルのステンレスマグボトルに水温計をいれる

だいたい4時間後の結果になりますが、両方ともに水温は下がっていますね。特に象印ではない方は下がりも大きくなっていますが、これはもともと象印に比べて保冷保温効力の低い水筒だったので、真空2重構造といえども、真空の具合もあまりよろしくないのではないかという予想があり、冷蔵庫に入れてもやはり外部の温度を受けやすい結果となりました。
象印の方も下がっていますが、本当に完全な真空状態ならばいつまで経っても冷たく温かさをキープできることになり、当然完璧な真空状態はどのメーカーでも作り出せるわけではなく、保冷保温効力はどのメーカーにも限界があります。象印はわりと長くボトル内部の温度をキープできる保冷保温効力に優れた水筒ですが、それでも内部の温度は外に漏れ、外部の温度は内部に影響は与えることがわかります。

象印のように優れた真空2重構造の水筒でも、永遠に内部の飲料の温度をキープできるわけではないということは、完全な真空状態ではなく、当然冷蔵庫に入れたら内部は冷気の影響を受けるといったことになります。

結論としては、ステンレス水筒を冷蔵庫に入れたら、ボトル内部の飲料は冷たくなり、メーカーそれぞれの真空状態の精度により下がる温度も変わってくる。になります。

冷凍庫の場合

冷凍庫であっても冷蔵庫と同じように冷却をする場であることは同じです。水筒の断熱構造の原理などはみてきたとおり、ステンレス水筒には真空2重構造の真空層があるために、外部の冷気は内部に伝わらない仕様になっており、プラスチック水筒はペットボトルの飲み物と同じように、冷凍庫に入れれば内部の飲料は冷気の影響を受けて凍ります。
しかし、前項で分かったように、真空2重構造のステンレス水筒であっても、実際は冷蔵庫に入れれば内部の飲料も冷えるため、冷凍庫に入れればこちらも確実に内部の飲料の水温は下がります

冷凍庫に入れた象印とリーチウィルの水筒

実際に冷凍庫に入れて2時間後の水温を測りましたが、かなり下がっていました。

冷凍庫に入れた後の象印のマグに水温計をいれる
冷凍庫に入れた後のリーチウィルのステンレスマグボトルに水温計をいれる

なので、前日に冷凍庫に入れて冷やすといったことも可能なのですが、水を凍らすと膨張し、柔軟性のあるプラスチックと違ってステンレス内では膨張が破損に繋がりますので、ステンレス水筒を冷凍庫で飲料を凍らすのはおすすめできません。2時間入れていただけですが、口周りのに付いた水が凍り、蓋がなかなか開きませんでした。
凍らせた飲料を持ち歩きたい場合はプラスチックの水筒にした方が良いのですが、氷が解けると結露がひどく濡れますのでその点は気を付けたいです。

結論

ステンレスやプラスチックの水筒を冷蔵庫に入れるのは問題なく、また同じように内部の飲料を冷やすことができます。ただ、プラスチックと違い、ステンレスの水筒は冷え具合はメーカーの真空層の真空度により異なり、また、冷たくなるまでにはステンレス水筒はかなり時間がかかります。やはり、ペットボトルに入れて冷やしたものをステンレスに入れて持ち運ぶ方が機能的なようにも思います。

冷蔵庫・冷凍庫に入れることへのまとめ

  • ステンレス・プラスチックともに冷蔵庫に入れて冷やすことができる
  • 完全な真空状態であれば保冷保温効力はずっとキープできるが、そうではないため外部の温度の影響を受ける
  • ステンレス水筒を冷蔵庫に入れると、真空層の精度により、メーカーごとの冷え具合は異なり、冷却まで時間がかかる
  • ステンレス水筒は冷凍庫に入れると内部の飲料が凍ることによる膨張により破損する可能性がある
  • 飲料を凍らして持ち運ぶのはプラスチックが向いているが、夏などは結露がひどくなる

以上になります。参考にしていただけたらと思います。

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