近年はプラスチックの削減を目標として、マイボトルを持つことが推奨され、多くの人が水筒を持つようになってきているようです。リリースされる水筒も増えていますが、優れたボトルを購入しても水筒は口を付けて雑菌が沸きやすいために、その後使い続けるためには掃除をして清潔に保つ必要があります。
しかし、初めて買った場合などは、掃除はどのようにすればよいのか?といった分からないこともあると思いますので、ここでは水筒にはどのような掃除方法があるのかまとめてみました。
熱湯消毒、つけ置き、道具を使った方法など、さまざまな洗浄方法がありますが、特に熱湯・煮沸を詳しく見ていきたいと思います。
熱湯・煮沸消毒
まず、熱湯や煮沸で殺菌する方法は家庭でも広く普及している洗浄方法ですが、水筒に関しては熱湯・煮沸消毒は行うことができないというのが結論です。
熱湯や煮沸により菌はほとんど除去することができるので、昔からある熱湯による消毒は効果的です。
たしかに熱湯で菌は取り除けます
引用元:kao.co.jp
一般的に熱湯消毒とは80℃以上の熱湯に5分~10分間つけることを言いますが、サルモネラ、病原性大腸菌、カンピロバクターは75℃、ノロウイルスは85℃の熱湯で1分間死滅させることができるように菌は熱に弱いようです。
水筒の場合内部に手が届かないので熱湯をつかうことは効果的のように思えますが、水筒は使われている素材がステンレスとプラスチックなので問題があります。
まずプラスチックは耐熱温度の問題があり、80℃の熱湯に対応していないものが多く、ステンレスも厚みなどにより高温で変形してしまう恐れがあります。なので必ずしも水筒で熱湯・煮沸による消毒は推奨されていません。
多くの水筒に付属している説明書を見てきましたが、どれも熱湯・煮沸消毒は禁止されています。たとえ熱湯に耐えることができても、万が一に備えてメーカーとしては禁止すると思いますが、他にも消毒方法はあるので、変形するリスクのある熱湯・煮沸消毒を選択することはないと思います。
つけ置き
熱湯・煮沸の他につけ置きの洗い方があります。水筒内部に漂白剤とお湯を入れ、30分~1時間放置して置くことで底まで洗浄することができますが、この際に漂白剤に塩素系と酸素系があり、ステンレス製の水筒に塩素系は錆びやすくなるために使うことができません。
酸素系の漂白剤はオキシクリーンがありますし、漂白剤以外にクエン酸・重曹などを使った方法がありますので紹介していきます。
クエン酸
ナチュラルクリーニングとしてよく使われているアイテムです。シンクのよごれなどの水垢をとるのには酸が有効なので、クエン酸がよく使われたりしています。
水筒にも内部の汚れをとるには有効ですが、ただ内部がコーディングされていないステンレス製で、長時間クエン酸に付けておくと、酸が内部を溶かして傷つけてしまうこともあるかもしれません。実際にほとんどのステンレス製水筒では弱酸性のスポーツドリンクをいれることはできません。水筒に入れたクエン酸を飲む訳では無いので清掃では問題ないとは思いますが、つける時間には気をつけた方が良いかもしれませんね。
外部記事:水筒の汚れはクエン酸でキレイになる?
重曹
重曹とは重炭酸曹達(ソーダ)の略で、食塩を電気分解してそこに二酸化炭素を入れて、自然の素材から作られてています。弱いアルカリ性で酸を中和するし、漂白・除菌・消臭などの効果を発揮します。
外部記事:水筒の洗い方を紹介! 重曹・クエン酸・酸素系漂白剤の使い分け方法も
オキシクリーン
オキシクリーンは衣類のシミ・汚れを漂白・消臭、除菌する役目のある酸素系漂白剤。キッチンハイターなどの塩素系ではないので、水筒でも使うことができます。
外部記事:【簡単掃除術】オキシクリーンで水筒をピカピカにする洗い方
どれも使い方は同じですが、重曹に関しては溶けにくいので少し熱い60度のお湯を使います。40~60度のお湯を水筒に入れ、大さじ半を入れよく溶かし蓋は開けたままにして使います。つける時間は汚れにより様々なですので、綺麗になったか確認しながら決めましょう。
道具を使う
こちらでは道具を使ってゴシゴシと洗う方式を紹介しています。水筒は手を中に入れることができないものがほとんどなので、棒の先にブラシ・スポンジが付いている用具を使って洗います。どちらを使うのかはボトルのタイプにより使い分けましょう。
ブラシ
注ぎ口が狭く、湾曲していないストレートでスマートなボトルに使いたいのがブラシタイプ。出し入れするだけ、または入れたブラシをクルクルと回して一気に磨けるのが理想です。
スポンジ
ブラシタイプよりも種類が豊富にあるスポンジタイプ。ブラシよりも柔らかいのでガシガシと洗っても内部を傷つけることがないのが利点。広口で大き目タイプのボトルでも対応でき、隅々まで洗うことができます。スポンジが大きなものの方が一気に洗えて便利ですが、ボトルの大きさに合わせたいです。
振るだけタイプ
水と一緒に容器内に入れて、振るだけで洗浄できるタイプのアイテムです。つけおきのように時間がかかりませんし、振るだけなので道具を使ってこする手間も必要ない便利さが特徴です。
ふるだけボトルクリーナー
水と合わせて粉末を容器に入れて振るだけで内部が綺麗になるタイプのボトルクリーナー、カインズからリリースされています。セラミック粒子が汚れ、臭い、茶渋まで綺麗に落としてくれます。
外部記事:ふるだけで茶渋が落ちる!カインズの「ボトルクリーナー」を実際に使ってみた
マーナ(MARNA) ペットボトル洗いビーンズ
こちらは洗剤と一緒に入れて振るだけで洗浄できるペットボトル洗いビーンズ。ペットボトルだけでなく、水筒はもちろん口の狭い容器に使えます。ビーンズの中のアルミナセラミックボールが適度な重さを作り汚れを落としてくれるようです。枝豆風ですが、キャンディタイプもあります。
食洗器
強い噴射と高温の洗浄液により、スイッチを押すだけで自動で洗浄を行ってくれる食洗器。当然水筒もこちらに入れて洗うのが一番楽ですね。ただ食洗器では耐熱温度の問題があります。
90℃以上の耐熱温度があれば、食洗機の使用が断然おすすめ。
引用元:sumai.panasonic.jp
90℃以上の耐熱性があれば食洗器で洗えるようですが、しかしステンレス、プラスチック水筒ともにそれぞれおすすめできない理由があります。
ステンレス・・・水筒に耐熱性があってもパッキンはゴム製で熱に弱く、さらに蓋と一体になって外せないことがあり、こういった場合は食洗器を使うことができません。また、食洗器で使われる専用洗剤はアルカリ分や高温での洗浄で酸化しやすくなってしまい、錆などに繋がってしまうことがあります。
プラスチック・・・プラスチックは軽量なので、食洗器の強い噴射の影響で飛ばされてしい、プラスチックの表面に傷が付く可能性があり、また、耐熱温度が高い水筒であってもプラスチックは熱に弱く、変形の恐れがあります。
実際に手洗いのみと表示された水筒でも、食洗器で洗うことができるものも多いとは思いますが、食洗器で洗いたい場合は仕様にしっかりと対応と明示されているものを選ぶのが良いと思います。
以上です。いかがでしたでしょうか。水筒は口が狭く手が届かないことで、様々な方法の洗い方がありますが、自分にマッチした洗浄方法を見つけて、清潔に安全に使って行きたいですね。参考にして頂けたらと思います。