水筒とタンブラーの違いと違わない点。どちらを選ぶべきかなど

水筒とタンブラーの違いと違わない点。どちらを選ぶべきかなど

水筒もタンブラーも飲料を入れて飲むためのものですが、それぞれがよりよいボトルになるために、お互いの良い部分を取り入れて違いは少なくなってきています。なので、水筒とタンブラーは何が違うのかと疑問に思うこともあるかもしれません。ここでは両者の違いを解説させていただき、違いは何か、どちらを選ぶべきなのか、タンブラーと水筒の良いとこどりの製品などを見ていきたいと思います。

水筒、タンブラーとは

水筒もタンブラーも狭口広口、パッキンの有り無し、コーティング、ストローのありなしといったそれぞれ多くの特徴がある容器ですが、ここではそういった細かいことにはこだわらずに水筒、タンブラーの根本となる大きなそれぞれの特徴を、まずは簡単にですが見ていきたいと思います。

飲料を持ち運ぶ水筒

水筒は飲料を持ち運ぶことができる容器です。暑いまたは寒い気温の時でもボトル内の飲料が影響を受けずに、長い時間温度をキープできるように保冷保温効力に優れている場合が多いです。飲みやすいもの、携帯しやすいものなど、水筒といってもさまざまな特徴の違いがありますが、基本的には飲料を持ち運ぶことを前提としているのが水筒です。

飲みやすいタンブラー

タンブラーは飲みやすさを追求した容器です。飲料を入れて持ち運ぶことも可能ですが、それよりも飲みやすさを考えられて作られていると思います。
ボトルに直に口を付けて飲むタイプのものも多いですが、近年は蓋の一部がスライドしたり、カバーがあったりと蓋をしたままでも飲めるような、飲みやすく使いやすく、飲むといったことに重点がおかれて設計されています。

それぞれに根本となる特徴はありますが、水筒は多彩な飲み口のものが開発されており、飲みやすさを追求したタンブラーとの違いはなくなっているように感じます。また、タンブラーにしてもしっかりと閉まる蓋付などの密閉性の高いものも発売されているので、そういった点では水筒との違いは少なくなっていると言えると思えますが、それでも違いがないといったことはなく、違いはどういった所になるのかを見ていきたいと思います。

タンブラーと水筒のもっとも大きな違い

前接でもふれたように水筒とタンブラーに大きな違いはなくなっていますが、大きな違いもあり、それは持ち運ぶことを前提にしているかしていないかになります。
水筒は飲料を持ち運ぶことができる容器で、タンブラーは飲みやすさを考えて作られた容器でありますが、持ち運びができるようには設計されていません。持ち運ぶことを前提としていることでボトルとして違いが出る部分があり、大きく違いがうまれるのが飲み口密閉性、洗いやすさ、保冷保温効力、形状、漏れなどになります。それぞれ見ていきたいと思います。

飲み口カバー

タンブラーのスライド式カバー
タンブラーの持ち上げ型のカバー

蓋付タンブラーの飲み口カバーはスライド式や上から被せるようなタイプがあり、こういった構造は大変使いやすく飲みやすさを考えたタンブラーらしさだとは思いますが、水筒にはこういった仕様のカバーはありません。これらはやはり移動中のバッグの中で、何かの衝撃でズレたり開いたりする可能性があり、水筒ではスライド式などは採用されにくいようです。移動を考えないために飲み口のカバーはタンブラーの方が使いやすい仕様が多いです。

形状

形状はどちらも筒形になりますが、タンブラーの方が圧倒的に太いものが多いです。これは水筒はバッグに入れて持ち運ぶことを考えられているのでスリムに作られているためです。スリムな方が少ないスペースに滑り込ますことができるので、細いバッグや荷物が多い時などでも持ち運びやすいように、水筒はタンブラーに比べて比較的に細く作られています

洗いやすさ

洗いやすさに関しては圧倒的にタンブラーが洗いやすいです。水筒はあまり太いタイプのものはなく、あったとしてもタンブラーのように底まで手が届いてゴシゴシと洗えるタイプは少ないです。水筒で底まで手が届く場合は2Lなどの大きなものになりますが、タンブラーでは350mlでも手が届くものが多いです。
家庭用スポンジと食器洗い用洗剤を使って、手軽に手洗いできるタンブラーの方が清潔に使いやすい容器だと思います。

保冷保温

保冷保温効力は水筒の方が高いものが多いです。タンブラーも蓋付きで、水筒と同じように蓋を回転させて閉めるタイプもあり、水筒と変わらないような構造の製品もありますが、それでも保冷保温効力は水筒の方が高い場合があります。
ステンレス素材のタンブラーも水筒と同じように真空2重構造機能を備えていますが、ボトルに飲料を入れて移動することを考える水筒では、長い時間飲料を入れておくことを前提としていますのでやはり保冷保温効力は高く設計されているようです。

漏れ

水筒も蓋付のタンブラーも横にしても漏れない方が当然便利なのですが、移動することを考えていないタンブラーは蓋をしていても漏れる仕様のものも多いです。蓋を被せるだけのものが多く、それでも倒れても漏れのない仕様のものもあり、めったにありませんが水筒にしても横にしたら漏れてしまうといった製品もありました。
しかし、横にしても漏れないものは、バッグなどに入れて持って移動することを考えられた水筒の方が圧倒的に多いです。

以上のように大きく違う5つの点を紹介させていただきましたが、まとめてみます。

・蓋に飲み口がついているタンブラー特有の仕様で飲みやすい
・形状→水筒は細くタンブラーは太い
・洗いやすさ→タンブラーは太いので内部を手洗いしやすい
・保冷保温効力→持ち運びを前提にしている水筒の方が効力は高い
・漏れ→持ち運びを前提にしているため水筒の方が漏れには強い

漏れない持ち運びしやすい保冷保温効力なら水筒、飲みやすい洗いやすいならタンブラーと、水筒とタンブラーには違いもあります。しかし近年では徐々にですが変わらなくなってきている部分もありますので、その部分を見ていきたいと思います。

あまり変わらなくなってきている部分

水筒もタンブラーもどちらも使いやすい良い製品になるように進化しているようで、役割として違いがある中、機能的に変わらなくなってきている部分もあるので見ていきたいともいます。

真空2重構造

真空2重構造はボトルを2重の壁にして、その間を真空状態にすることでボトル内の熱や冷気を外に逃がさないようにした技術です。これにより保冷保温効力が高まり、長時間飲料を入れておく水筒にとっては欠かせない機能となりステンレス水筒は大抵真空2重構造となっています。近年ではあまり長時間飲料を入れておくことがない前提とされているタンブラーも、こちらの真空2重構造の製品が多くなっています。

飲みやすさ

タンブラーは飲みやすさを念頭にされていますが、水筒も飲みやすさといったことでは変わらなくなってきています。蓋の上からスライドさせて飲むといった構造はタンブラー特有で水筒にはありませんが、かわりに飲みやすくなるように作られた飲み口ユニットなどがあるものも多く、また、直のみタイプでも厚みを付けるなど、多くの水筒やタンブラーを見てきましたが、飲みやすさといった面ではかわらなくなってきているように感じます。

その他の機能など

その他撥水性に関しては、一部のセラミックやフッ素コートといったコーティングをされているもの以外はだいたい同じような感じですし、形状が持ちやすくなっているものに関してもどちらも同じように工夫されたものがあります。

水筒とタンブラーの違いなどを見てきましたが、それぞれの良いとこどりをして一つにしたタンブラー型の水筒といった製品もあります。

良いとこどりのタンブラー型水筒の実力は?

タンブラー型水筒とはタンブラーの飲みやすさと、水筒の持ち運びできる密閉力を備えており、あまり多くはありませんが象印、サーモスといった大手メーカーからリリースされています。タンブラーと水筒と比べながらどういった製品なのかを見ていきたいと思います。

関連:サーモスのケータイタンブラー(JOE-361)を使って見た感想。漏れや洗いやすさは?

関連:象印のキャリータンブラーを使ってみた感想。漏れは?洗いやすさは?

飲み口

タンブラー型水筒は直のみタイプが多いですが、キャップの上から飲めるタイプがあります。直飲みのタイプの場合は広口で厚みがありゴクゴクと飲める飲みやすさがあり、さらに最近ではキャップに飲み口があるタイプもリリースされ、よりタンブラーらしいシステムのものもあります。
こういったカバーは持ち運び時が心配ですが、タンブラー型水筒ではしっかりとリングロックで固定され、軽い衝撃などでは開かないシステムとなっています。

漏れや密閉力

実際に飲料を入れて持ち運びましたが漏れはなく、大手メーカーの製品らしく簡単には漏れない構造となっています。もちろんパッキンなどをしっかりと間違いなくセットしている場合になりますが、タンブラーにはない密閉力を備えています。
ちなみに象印のタンブラー型水筒ではシームレスせんが採用され、パッキンと栓が一つになりパッキンの煩わしさから解放されています。

洗いやすさ

タンブラー型水筒は広口な作りとなっていますが、残念ながら多くのタンブラーのようにゆったりと底まで手が届くほどの太さはなく、サーモス、象印どちらも何とかスポンジが底に届くといった太さです。
ここら辺はやはり持ち運ぶことを優先にしているようで、太めではありますが水筒の太さの範囲内といった感じ。タンブラーのような洗いやすさまではないです。

保温保冷効力

保冷保温効力は水筒と同じように高いです。口径が一般的な水筒よりも少し広いために少し低い所もありますが、タンブラーのように効力が低いわけではありません。

ざっとタンブラー型水筒の仕様などを見てきましたが、タンブラーの飲みやすさの良さを持ちながら持ち運びもできるというコンセプト通りのボトルになっていると思います。ただ、手洗いする場合の洗いやすさに関しては、さすがに手がゆったりと底まで届くわけではないので、その点だけは多くのタンブラーには劣りますね。その分バッグに入れて持ち運びはしやすいのだと思います。

まとめ。水筒とタンブラーどちらを選ぶべき

やはり飲料を入れて持ち運ぶなら水筒を、飲みやすさを求めるならタンブラーが良いように思います。もちろん水筒も飲みやすいものが増えていますので、タンブラーのような使い方は可能ですが、手軽に洗うことを考えるとタンブラーの方が良いため、オフィスや自宅などで短い時間で飲み切るような使い方ならタンブラーがおすすめです。
もちろんすべてのタンブラーが広口で底まで手が届くわけではないので、口径は何cmなのかをしっかりと確認する必要があります。あまり洗浄を考えなければタンブラー型水筒も良いのではないかと思います。

簡単にまとめてみます。

  • 長い時間飲料を入れて置き、持ち運ぶ場合 → 水筒
  • 飲みやすさ飲料を楽しみ洗浄もしやすい → タンブラー
  • 飲みやすさや飲む楽しさ、洗浄しにくくてもよい → タンブラー型水筒

以上です。参考にしていただけたらと思います。

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