タンブラーはいろいろな捉え方をされるようですが、一般的には水筒のような密閉性がなく、持ち歩きには適していない飲料を入れる容器で、自宅やオフィスなどで使うのに最適なコップ型容器になります。一言でいうとコップですが、その種類は多く、作られる素材なども豊富です。ここではタンブラーを作る素材、構造、形状や、蓋やハンドル付きといったの付加機能などの種類を見ていきたいと思います。
素材
タンブラーを作る素材にはさまざまなものがあります。ステンレスやプラスチックが多いのですが、その他それぞれの素材により特徴も異なってきますので、詳しく見ていきたいと思います。
ステンレス
タンブラーで一番使われている素材がステンレスです。ステンレスは鉄などの他の金属と比べると、クロムやニッケルが使われているために、熱伝導率が低いので保冷保温効力を求めるタンブラーとは相性がよい素材ということになります。
また、強度の問題でもプラスチックと比べると高く、耐久性が高いといった面でも他の素材に比べて使われることが多い要因でもあります。そのため数も多く、形状などもさまざまで最も自分の好みとマッチしたものを選びやすいタイプだと思われます。
プラスチック
プラスチック製のタンブラーはステンレスほどではないですが、次に人気のある素材です。ステンレスとくらべて安値な素材ということもありますが、なんといってもプラスチックの特長には軽量といったメリットがあります。タンブラーは口までもってくるために、何度も持ち上げを繰り返しますので、当然軽さを求める人は多く需要の高い所ではあります。
ただ、保冷保温効力にかんしてはステンレスよりは効力はありませんので、機能性の面では劣ってしまいます。
アルミ
アルミは軽量、熱伝導率・耐食性が高いといった多くのメリットがあり、製品の数もある程度多いです。熱伝導率が良いので冷たい飲料を入れるとタンブラー自体が冷えて温くなりにくいのですが、そのためタンブラー周りに温度差が大きくなり、結露もしやすくなってしまいます。コースターなどを使って飲むことになります。
その他、耐食性に優れているので酸化しにくくステンレスのように錆にくく、軽量で使いやすさがあると思います。
銅
銅は熱伝導率が高い素材です。熱伝導率が高いメリットとしては、例えば冷たい飲み物を入れると、銅容器そのものに冷たさが伝わり、冷たくなった容器と一緒に飲料を楽しめるといったことがあります。
当然熱い飲みものを入れた場合には容器があつくなり、持ちにくくなるといった面があり、さらに、真空2重構造のものはないので、結露なども起こしてしまいます。
真空2重構造のステンレスと比べると、価格も高く、機能性ではかなり劣るように思えますが、ただ銅は水を浄化する効果もあるといわれているので、そういった面も考えて選択する人も多いのかもしれません。
錫
錫はあまり聞いたことがないかもしれませんが、酸化しにくく、錆びにくい安定した金属としてしられています。錆びない強さがあるので、タンブラーでも金属が解けて飲料に溶け出すといった危険が少なく、また、金属の輝きが時間がたってもなくならないといったメリットがあります。ステンレス製に比べればやはり保冷保温の機能性では劣ってしまいますが、銅と同じく、錫には殺菌作用があることがわかっているので、使うメリットも多いかもしれませんね。
ただ、錫製のタンブラーはとても少なく、おもに大阪錫器が扱う素材になっているようです。
ガラス
ガラスはタンブラーよりはコップとして親しまれているのかもしれませんが、広義ではタンブラーに含まれると思います。衝撃に弱く落とせば割れてしまうことや、結露することはご存知かと思われます。しかし、数は少ないですがガラスも2重構造のものもありますので、結露は防ぎやすくなりし、飲み物が浮いているような、見た目が美しく楽しめます。
木製
木製には熱が伝わりにくい特性があるため、ステンレスに比べれば劣りますが保冷・保温の効力もあります。木のぬくもりを感じられ手触りが良く、持ちやすさもあります。陶磁器やガラス製などは落として破損してしまいますが、そういった心配がないのも良いですね。
なにより見た目が良く、出しっぱなしにしてもインテリアになりおしゃれ。実際には木製ではなく木製風なデザインのタンブラーも多いです。
形状
一般的なコップのような形状も多いですが、使いやすさやデザインを考えられ、持ちやすい工夫がされたさまざまな形状があります。
一般的な形状
底から上部の飲み口にかけてストレートや、やや丸みを持ちながらに広がっていく形状をしています。もっとも一般的な形状で、一番数も多く人気もあります。
湾曲
真ん中が湾曲している形状。真ん中が上よりも反っているので、そこに手をかけると上の太くなった部分がストッパーのようになり、ストレートより広がりによる持ちやすさがある形状です。もちろん手の大きさにもより、沿った部分が手に馴染まないといった人いると思われます。こういった形状はあまりポピュラーではないのか、多くはありません。
段つき
ボトル底から上に向かいまっすぐな所に、突然段が付く形状は人気があるようで多い形状です。段の部分がストッパーになるので、落としにくくなり持ちやすくなります。この段があることで価格が高くなるといったこともなく、人により持ちにくいったいったこともすくないようで、多くの人に受け入れられている割とポピュラーな形状です。
凹み
ボディの一部に凹みあるタイプです。ストレートな形状よりも、一部が凹み溝となった部分に指がかかってストッパーのようになり、持ちやすくなります。溝に一本か二本の指をいれて持つような形で、全体を持たなくてよいといった形でタンブラーを使うことができるメリットもありますが、あまり人気のある形状ではなく、数も少ないです。
ただ、機能性は高くよりしっかりと持てるので、アウトドアシーンでは活躍できる形状なのかもしれません。
丸型
丸々としたかわいらしい形状です。手を開いて大きく使えるのが特徴で、こういったタイプが好きな人も多いと思いますが、どちらかといえば一般的な底から上に向かって広がっていく形状の方が、使いやすいと思う人は多いのではないかと思います。
数は多くはありませんが、一定数ラインナップされていますし、人気がないわけではありませんが、機能的な面よりもデザイン的にも楽しめる形状ではないかと思います。
断熱構造
タンブラーの断熱構造は下画像のように、内側と外側の2層構造にすることで、熱や冷気を逃げにくく、さらに結露を防ぐ構造にもなっています。
現在でも一層構造のものもありますが、やはり2層構造のものに比べると保冷保温効力にかけてしまうようで、また、2層構造であっても真空とそうでないものもあるようなので、ここでは2層構造についてみていきたいと思います。
真空2重構造
2層の間を真空にすることで強力な断熱構造を作っています。真空とはウィキペディアでは「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態」のことを言うようですが、そのおかげで熱を移動させる気体分子がない状態となり、内部の熱が外に逃げにくい構造となるようです。
なので、保冷保温効力が高いタンブラーを選びたい場合は真空断熱構造のものを選ぶと良いですね。
断熱2重構造
2層の間を真空にはしていない2重構造です。この構造はステンレスとプラスチック両方のタンブラーで使われています。
真空にしていないために空気が残ってしまっており、内部の熱を外に運びやすい状態となり、真空よりは保冷保温効力は弱くなりやすくなります。もちろん一層構造のものよりは効力は高くなりますし、結露もしなくなりますので、一層よりもメリットは大きい構造ではあります。また、価格にしても真空2層構造よりは少し安い傾向にあるようです。
断熱材入り二重構造
こちらは2層の間に断熱材を入れて、保冷保温効力を高めている構造です。真空と同じように熱を逃がしにくい構造となります。プラスチックのタンブラーに良く見られる構造で、軽量がプラスチックのメリットを損なわずに、断熱ができている構造です。
付加機能
素材・形状・断熱構造によりさまざまな種類のタンブラーが作られますが、さらに蓋が付いたりハンドルが付いたりと機能も豊富なので、そういった付加機能を紹介していきます。
蓋
タンブラーの多くに蓋付のものがあります。蓋をすることで冷気や熱が逃げにくくなり、保冷保温の効力があがり、また、倒れてしまったときにこぼれにくくなるといったことがあります。デメリットとしては蓋をとっての飲まなくてはないといったことがあり、飲むのに手間がかかる場合もありますが、最近は蓋に飲み口が付いているものも多いので、蓋をしたままで飲むことができるタイプがおすすめです。
ハンドル
ボディにハンドルが付いているタイプのものがあります。ハンドルはボディを直接持たなくて良くなりますので、ボディが冷たいや熱いといったことや、結露により濡れている場合にはとても有益な機能になりますが、そういったマイナスがなくなっているのがタンブラーだと思いますので、ボディを持つよりもハンドルが持ちやすいといった人向け向いた機能になります。
底に滑り止め
タンブラー底にシリコン製の滑り止めが付いているタイプの製品があります。当然滑りにくくなりますので、デスクからの落下を防ぎ、また強く置いても音を軽減できるメリットがあり、静かにしなくてはいけない場所やシーンで大変便利な機能だと思います。
ストロー
蓋と一緒にストローが付属しているタンブラーもあります。ストローの良い所は、傾けすぎてしまって溢すことなく、そのままの状態ですぐに飲める点です。基本的には蓋の真ん中に付属のストローを指して使う穴があるものが多いですが、つまみを持ち上げるようにして、外から指すタイプではなく使えるものがより便利です。
キャリーハンドル・カップホルダー
タンブラー上部に取ってが付いていたり、ホルダーにストラップが付属しているものは、どちらも手で持って移動しやすくなる機能ですが、ただ長い距離を持ち運ぶには適してはおらず、ちょっと持ち運ぶなどで使う機能だと思います。
ずっとデスクにおいて使う場合ではなく、特にキャンプなどで持ち運びが多い時は便利な機能になると思います。
食洗機対応
食洗機は内部で高温になり、さらに激しい勢いで水を噴射して汚れを落とすので、強い圧力がかかるので、タンブラーが食洗機に対応していないものもあります。タンブラーを洗う時には食洗機に対応しているのかを確認しておかないと、食洗機ないで損傷したり、長く使うことができなくなる場合もありますので気をつけたいですね。
コーティング加工
タンブラー内部をコーティングして撥水性を高めているタイプは多いです。例えば撥水性の高いセラミックでコーティングすることで、内部の水はじきを良くしてくれていますので、汚れや匂いの付着を防ぎ、洗いやすくなるメリットがあります。セラミックの他、フッ素やテフロンなどの有名なコーティングがされていることも多いですが、タイガーのような独自の撥水性を高める技術を使っていることもあります。
まとめ
以上になりますが、いかがでしたでしょうか。素材・形状・断熱構造・付加機能によりタンブラーは作られており、それぞれ項目でどれを選択するかにより、さまざまな特徴を持ったタンブラーが出来あがるようです。
自分にマッチしたタンブラーを見つけるのは、どういったタンブラーの種類があって、どんな機能性があるのかなどを理解していると良いかもしれませんね。参考にしていただけたら幸いです。